勾玉キッス☆ 65
「ま、しょうがないか」
焦ってもなぁ。人間丸くなくちゃだめだよ、うん。
そのまま俺は、屋上のコンクリートの床の上でゴロ寝する。
「ふぁ…空が近いな…」
そう言えば、こうするのって久しぶりだよなー
どこまでも続く青い空。流れる雲。
頬を流れる風が心地いい。
思わず大きなあくびをしていると
「くすくす…そんな格好じゃ、スカートの中身が見えますよー」
「わわ!!」
慌てて起き上がってスカートの裾を押さえた。
内股気味にしていると、白い太ももに裏地のレースが当たる。
「あらあら。初々しい反応ですね。女の人なのに」
「あ、いや…これは…」
俺の目の前でつばの広い白い帽子を被った小学生くらいの女の子がいた。
白いワンピースのその少女は、帽子を深く被り、クスクスっと笑っている。
「うふふ。お姉ちゃんって、本当は男の人だったりして」
どき。バレたか?
「じょうだんよ。こんなに綺麗なのに男のはずじゃないよね」
「あはは。そ、そうだよ…おほほ」
適当に誤魔化す。
「所でお嬢ちゃん、どっから来たの?」
こんな時間、しかも高校の屋上にいるなんて。
気配が全然しなかったぞ。
「くすくす。そんな事はどうでもいいでしょ?」
「よくないぞ。両親が心配しているかもしれないし」
「んーお姉ちゃんに会いに来たってすればいいかなぁ」
「何だよそれ。俺に用って……」
すたすたとフェンスの所にいた少女は、俺の前に来る。
手前で止まった少女は、少し顔を見上げた。
帽子の縁が邪魔で、顔全体は良く見えないけど、小さな口元を綻ばしている。
「ふーん。お姉ちゃんって、まだまだ女を知らないみたいだね。男の人とセッ○ス
した事ないんでしょう?お○んこにお○んちんを挿れてあんあんって喘ぐんだよ」
「な、なっ!?」
少女の淫らな言葉に、俺は思わず顔を真っ赤にする。
さ、最近の子供はマセているよなー
「ば、ばか。俺がそんな事をするわけないだろ」
当然だ。俺は男なんだから。
「くふふ。女になったばかりで、何も知らないんだ。お姉ちゃんは、これから男の人と
エッチするんだよ。女の悦びに浸れるの。これってすごいことなんだよね」
「な、なに言っているんだよ。俺が男に抱かれる?はん、気色悪いけどな」
男が男に抱かれる?そんなマネなんかできるか!ばかばかしい。
こんなガキの戯言なんて聞いてられるかよ。
俺がその場から離れようとした時――
「うふふ。そう言えるのかな?桐生雅章クン」
「!!」
一気に血の気が引く。どうして、俺の名前を。この子は一体…
少女は俺の側まで来ると、そっと俺の手を取った。