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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 61

ガタガタ……ドドドドッ!!

地響きとともに、教室中が揺れた。
クラスメイトのお目当ては、転校してきた美少女……つまり俺だ。
うわぁ、マジかよ。それで麗華姉ぇは速攻で逃げたんだ。
うわぁ薄情者ぉ〜!

たちまち俺の席の周りには、人ざかりが出来る。
すぐ近い所は、女子が固まり、男子は遠巻きで見ているようだ。
そして質問の嵐。

『ねぇねぇ。桐生さんって〇〇高校から来たって聞いているけど、すごいじゃん。頭良いんだぁ』
『あなた、すっごく綺麗よね。毎日のお手入れ大変でしょ?』
『うわぁ、肌の色が白いわぁ』
『髪がすっごく綺麗。どんなシャンプーを使っているの?』
『スタイルもいいなぁ。あたし憧れちゃう』

あうう。やたら俺の体を触るのはちょっと……
知っている連中ばかりだから、どうもやりにくい。
俺の事は事前に麗華姉ぇが言ってくれたみたいだけど、これほどとは……トホホ。

「あ、あのわ、私……あのね…」

チラっと裕美の方を見てアイコンタクトをする。
『裕美、頼む助けてくれ』ってサインを送ったが
速攻で『ゴメン。無理だわ』って返されてしまった。
あうあう…
「あの、その、み、皆さん…ひゃぁ!」

こ、こらこら。ドサクサに紛れて胸を揉むなよ。
それにしても女の子達の目つきが変だ。
やたら手付きがいやらしくなっているような気がする。

「うわぁ。雅ちゃんっておっぱい大きいんだぁ」
「脚もキレイ。肌がスベスベだぁ」
「髪もすっごく柔らくていい匂い。うらやましい〜」

女の子達の際どいスキンシップに、俺は揉みくちゃになってしまう。いや、本当に勘弁してほしい。

「も、もういやぁあ。誰か助けてぇーー!!」


俺がクラスメイトから解放されたのは、授業が始まってからだった。

昼休み

俺は、裕美と一緒に屋上いる。
さっき買って来た缶珈琲を飲みながら、フェンスの横に座って空を眺めていた。
心地よく流れる風が気持ちいい。
俺はすーと片手で頬に掛かる髪を自然と後ろに流していた。

昼休みになってあちらこちらから昼食を誘われた。
いくら何でもそんなの知った事かと言わんばかりに、俺は逃げ出そうとしたのだ。
今朝の再現はゴメンだからな。

「まったく。今の雅章は女の子で転校生なんだから、ボロを出すような行動は控えなさい」
「めんぼくない」

裕美のお陰で、その場は何とか誤魔化したけど
こんなに注目されるとは思わなかったよ。

「ほらほら、ちゃんと座る時は脚を揃えなきゃ駄目じゃない。スカートの中が丸見えよ」
「わわっ。いけねぇ」

裕美にお姉さん注意されて慌てて脚を組み直す。
とほほ…

「ま、それはそうと。私、雅章のためにお弁当を作ってきたの。食べてよ」
「おっ。サンキュー」

出されたのは、綺麗に盛り付けられていたお弁当。
早速俺は、箸をつけてみる。
流石、麗華姉ぇ並みに料理が上手い。
味も抜群だった。裕美の奴、今日は張り切っているなぁ。

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