PiPi's World 投稿小説

勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

の最初へ
 55
 57
の最後へ

勾玉キッス☆ 57

「え!?」
「あなたに呪いを掛けたのは、封印した巫女に復讐するだけではないのよ」
それってどう言う事だよ?ミヤビは言葉を続ける。
「女になったあなたは、肉体を失った魔物にとっても重要な存在なの」
「重要な存在?この俺が?」
「うん。それはね…」
「あ、いたいた。雅ちゃん達〜」
麗華姉ぇの声だ。いつのまにか手を振ってこちらに向っている。
ハイヒールなので、砂利で脚を取られてコケそうになるけど。
なんとか千鳥足のごとく俺達の所に来ると
「ほぇ〜雅ちゃんがもう1人居たとはね。お姉さんびっくり」
「麗華姉ぇ、どうしてここに?」
「何言っているの!雅ちゃんを迎えにきたんじゃない。ささっ、こっちにいらっしゃい」
手を差し伸べる麗華姉ぇ。そっか。じーさんとの話は終わったみたいだな。
俺はその手を取ろうとした時、急に横から静止される。
「……下がって、雅章君」
急にミヤビの表情が険しくなっている。
俺を手で静止しながら構えの姿勢になっていた。
「な、なぁに、この娘。そんなに怒っちゃって」
「…雅章君に近づかないで!!」
さっきとは違って激しい口調。ミヤビの奴、一体…
「はぁ?おかしな娘よねぇ。雅ちゃん、その娘から離れなさい」
呆れる麗華姉ぇ。だがミヤビは…
「…あなた、雅章君をどこに連れて行く気なの?」
「何って…一緒にお家に帰るんじゃないの。ねぇ…雅ちゃん」
「う、うん」
「ほら、ごらんなさい。私は…」
「……麗華さんじゃないわね」
その一言に、麗華姉ぇの表情が変わる。
「…なっ!?なに馬鹿な事を言っているのかしら。そんな事って…」
「上手く彼女に化けているみたいだけど、私には無駄よ。あなたの体から、微かに魔物の気配がするもの」
そんな…麗華姉ぇじゃない?
ミヤビの言葉に麗華姉ぇが黙り込む。
いや、よく見たら僅かだけど笑みを浮かべている。
ま、まさか……
「くくっ。流石は封印の巫女の生まれ変わりだな。こんな単純な事はひっかからないか」
さっきまで表情が一変し、目つきが鋭くなっている。声もまるで別人だ。
俺は驚きで声が出なかったけど、ミヤビは落ち着いた表情で言い放った。
「魔物よ、わかったなら今すぐここから立ち去りなさい。そうしないと…」
構えの姿勢のまま、右手には御札を持っている。
こ、これって夢の中に出た巫女と同じじゃないか。
やはり、俺は…
ミヤビの強い意思を嘲笑うかのように麗華姉ぇ、いや、魔物は何故か冷静だ。
くくっと口元を手で押さえながら

「おっと。俺を始末する気か?俺は御館(おやかた)様とは違って女には容赦しないぜ。
それに、巫女として完全でないお前がどう戦う?」

不敵に笑う魔物。コイツ…恐れを知らないのか?
だが、ミヤビは――――

「……言いたい事はそれだけなの?」
「ほぉ〜?」

ミヤビは、咄嗟に魔物に向って激札を投げつけた。

SNSでこの小説を紹介

性転換/フタナリの他のリレー小説

こちらから小説を探す