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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 56

「そ…それって、俺が剥がしちまった札が貼ってあった岩のことなのか…?」
俺は恐る恐る尋ねた。
「そうよ。全く余計なことしてくれたわね…」
彼女は呆れたような声で言ったがまた真剣な表情で
「まぁ、魔物は長い年月の内に肉体をなくしてたから呪いだけをかけたんだけど。なぜか呪いは完全に働かなかったみたい。魔物は復讐のため雅章君の体だけではなく精神まで女性化させ、巫女を出すつもりだったけどなぜかうまくいかなかった。」
それって裕美が見た夢と何か関係があるのか?
そんなことを考えている間も彼女は話を続ける。
「そして、そのショックで雅章君の魂から巫女の魂は分離してしまった。」
そ、それってまさか…
「そう、その分離した巫女の魂ってのが私なのよ。つまり、私は巫女でありながら雅章君でもあるのよ。」
空いた口がふさがらないとはこの事だろう。
「ちなみに、魂だけってのはものすごく無防備だからね。今の私の肉体は霊気を練って作った肉体なのよ♪」
や、『♪』なんかつけて言うことじゃないだろ…
だけど、これでじーさんが俺の女性化の事を知ってたことには納得がいった
彼女がきっと話したのだろう…
「そう。大介おじいさまには、私からお話しておいたの。最初は信じてもらえなかったけどね」
そうだったのか。そりゃそうだよな、俺だってさっきまで信じられなかったし。
「一応、私は雅章君とは別人って事で、おじいさまの所に居させてもらっているの」
「そうなんだ。でも、よくあのじーさんが信じてくれたな」
「ふふっ、おじいさまの性格は知っているからね。この肉体を作った後に、ちゃちゃっと
してあげたら、喜んで信じてくれたわ」
「…え?」
ま、まさか…
「あはは、エッチな事じゃないよ。まぁ、ちょっとおじいさまには…ね」
がくっと俺は心の中でコケそうになった。お前なぁ。
そういえば、あの時じーさんが顔を赤くしていたのは、そういう事だったのか。
「あんのエロじじい!」
俺は怒りの声を辺りに響かせていた。



暫らく俺は、もう1人の俺であるミヤビと話しをしていた。傍から見れば、双子の姉妹だと思う。
そりゃそうだ。同じ俺なんだから
「お前さ、いつまでそうしているわけ?」
「んー、私もわからないのよ。こうやって魂が分かれているのはね。いずれは
元に戻らないといけないんだけど。それに…」
俺はちらっと彼女を方を見る。並んで座っているせいか、甘い女の子の香りが流れてくる。頬に掛かる髪の毛も色っぽくて、つい見入ってしまった。
い、いかんいかん同じ男の俺だろうが。
「…雅章君」
「は、はひ〜?」
素っとん狂な声を上げる。
気づかれたのか?と思わずその場で慌てていると、ミヤビが俺の方を見ながら話し掛けてくる。
その目は真剣そのものだ。
「……雅章君、あの魔物はまだ完全には復活してないの」

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