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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 50

「…全く、冗談の通じない子ねぇ」
「麗華姉ぇが言うと冗談に聞こえないんだよ…」
「まぁ、半分は本音が混じってるからね♪じゃ、さっさと話して、お姉ちゃんが聞いたげるから」
「…じゃあ、夢の話から…」
俺は出来るだけ言い忘れのないように話した。巫女と魔物の夢の事、昨日の放課後の事、今日感じた視線、そして裕美の見た夢の事。
話し終えると麗華姉ぇは考えごとをしている様だ。
「どうしたの、麗華姉ぇ」
「んー、何か聞いた事ある様な気がするのよね。あ、雅ちゃんが夢で見たって言う巫女と魔物の話なんだけど」
「どんな話だよ?」
「んーとね。これはあたしが小さい頃、おじいさまから聞いた話なの。古い古いお話…」
麗華姉ぇは、思い出しながら俺に話してくれた。

今から千年前、この地に恐ろしい魔物達が住んでいた。人々に数々の災いをもたらし、その強大な闇の力は、遠く京の都まで及んでいたという。
時の帝(みかど)に仕えていた高名な陰陽師は、都にある由緒正しい神社の美しい巫女とともに、この地を訪れ、魔物退治に乗り出した。
長きにわたる戦いのすえ、ついに魔物達の長(おさ)を、ある場所に封印することに成功した。
そこは封印した巫女しか入れない神聖な場所で、今でも魔物を封じ込めた岩には、封印の呪文を書いたお札が貼られているという。

話を終えた麗華姉は、持っているお茶を飲んだ。
飲み終え湯飲みを置くと、
「まぁ、おとぎ話よね。雅ちゃんの話を聞いてふと思ったんだけど…」

「無関係、というワケじゃなさそうだね。偶然の一致にしては共通点が多いし」
と俺が感想を述べると
「そうね、明日のデートコースに図書館も入れよっか」
「入れよっか、て。俺はデートが何時からとかどこに行くのかとかまだ聞いてないんだけど」
「ミステリーツアーのつもりだったんだけど、時間は教えてあげる。私午前中は用事があるの。だから午後一時にこのマンションの入口で待っててね」
「うん、わかった」
俺は少し安心した。手掛かりが俺と裕美の夢だけじゃないと判ったからな。
それに麗華姉ぇも少しは俺が元に戻る事を考えてくれると判ったし。
「当たり前じゃない、戻ってもらわないと料理の腕を上げた意味が………」
「え?最後の方なんて言ったの?」
「いいわよ、気にしないで!」
腕を上げた意味が…?文脈からして『ない』だよな?俺が男に戻らないと腕を上げた意味がない?それって…まさか…
「もし…麗華姉ぇ…のこと…」
驚きと緊張でうまく言葉が出てこない。だって今まで麗華姉ぇは俺の事をからかったり俺で遊んだりしててそんな素振りは…。

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