勾玉キッス☆ 45
そして黒い霧状の物が入ってしまった雅はゆっくりと私の前に下りて来たと言う。
だが…
「はぁぁん…あ…あぁぁん…」
雅は眼に光が無く胸や股間を愛撫し貪る完全な淫乱女になっていた…
「嫌…雅…ちゃんとして…」
私は雅を正気にさせようと声をかけたり身体を揺らす…
しかし…
「いぃぃ…きもち…いいのぉ…もっとぉ…もっとぉ…」
雅は聞く耳持たず身体を愛撫し快楽に浸っていた…
その時、私の耳に変なん声が聞こえてきた…
『…ツイニワレハコイツニノロイヲカケタ…コレデコイツハオトコナシデハイキテイケナイカラダニナッタ…』
その瞬間、私はその声に叫んだ…
「雅を…いや雅章を元に戻して!」
すると突然、雅のアソコから何やら黒い物が飛び出し私の胸に撃ち込まれた…
そして…
『…ナラオマエノチカラデコイツノノロイヲトイテミヨ…タダシデキナケレバオマエニモオナジノロイヲカケテヤル…』
だが私はここで夢から覚めてしまった…
(再び、雅の視点に戻る)
「この裕美が見た夢って…」
「さっき観覧車で雅が感じた視線と関係があるのかな?そして…」
「そして?」
「雅章に戻れる鍵に…」
などと話し合っているうちに裕美の家の前に到着してしまった。
「じゃ今日は此処で」
「そうだな、じゃ明後日な」
「うん、じゃ明後日」
俺は裕美の家で別れて俺の家へと向かった。
「黒い…霧…か…」
俺は歩きながら考えていた。
呪い、男に戻れる鍵…
何だろ。考えれば考える程、頭の中で霧が覆っていくみたいだ。まるで何も思い出せないように。
などと考えている内に、いつのまにかマンションのエントランスホールに着いていた。
「うへっ、何だよこれ…」
安心したのか、背中がべっとりと濡れているのに気がついた。相当汗をかいていたようだ。
「気持ち悪ぃ。シャワーでも浴びないと…」
俺は急いで家の玄関へと駆け出していた。
首に掛かった勾玉が鈍く光っている事に気が付かないまま…
☆★☆
「・・・あれ?」
玄関の近くまで来た時、ウロウロしている人影が見えた。
「おかしいな。麗華姉ぇは、まだ学校から帰る時間じゃないのに…」
怪しいと思った俺は、相手に気が付いかれないように近づいていく。
中腰になり壁伝いに来たのだが、その人物は俺に気が付いたのか
すぐに視線をこちらに向けた。
「げっ!か、神村ぁ?」