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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 42

ジェットコースターやメリーゴーランドに乗ったりして…
あの時もこの観覧車に乗っていたよな。

・・・・・・・

遠くの西日が水平線の彼方に落ちようとしている夕日。
お互いの顔は夕陽で赤く染まっている。

『ねぇねぇ雅章たん。夕陽がきれい…ちょうどいい時間に乗れてよかったね』
『うん。凄く綺麗だよ。裕美が急がせたからだよねー』
『そ、そうだっけ?』

俺と裕美は顔を見合わせて笑っていた。
早く乗るんだって、散々駄々こねた裕美が俺を急がせたわけだけどな。

『ねぇねぇ…雅章…たん…』
『なんだよ…』
『あのね、あのね…私…雅章…たんの事を…』

裕美がドギマギし始めた。普段の気の強さとは明らかに様子が違う。
顔の色が赤いのは、夕陽のせい…? 
その時、外では、今まさに夕陽が地平線に落ちようとしている瞬間が繰り広げられていた。
空の色は赤から闇へ、徐々に変化している。

『うわぁ。裕美、見てごらんよ。空がすごく綺麗だよ…』
『あ…え?ホント…綺麗…』

闇が深まるにつれて次第に星の光が輝きを始める幻想的な光景。
俺と裕美はいつまでも見つめていた。

………

ゴンドラが頂上近くまで進む。窓の外では青くどこまでも広がる空。
眼下では、街が日光に照らされ、白く輝いている。

「そうそう。あの後、急に観覧車が停まって大変だったよね」
「ああ…裕美なんか動くまで泣いていたもんなぁ」
「あーー!!雅ったら。変な所を思い出さないでよ!」

ぷいっと頬を膨らます裕美。
やべ…調子に乗りすぎたかな。
「す、すまねぇ。あのさ、あの時…裕美が言っていた事ってなんだよ?」
「あ、ううん、何でもないよ。そ、それよりも外を見てみて。綺麗よねぇ」

何だか誤魔化された感じだけど…
裕美に言われて、俺は窓の方を見た。
ゴンドラが頂上に差し掛かかったのか、天井の空が青い。
吸い込まれそうな光景に、思わず身を乗り出した時

ガクン!!

「きゃぁ!!」
「うわぁっ!!」

一瞬宙に浮いたかと思うと、俺はそのまま向かいに座る裕美のところへ投げ出された。
咄嗟に俺を抱きとめてくれる裕美。
「…み、雅、大丈夫…」
「ゆ、裕美…な、なんとも…」

と、顔を上げた時、言葉が詰まる。目の前には裕美の顔…
息遣いがはっきりとわかるくらい近い。
暫らく見つめ合うと…

「わわっ!!」

俺は大声を上げながら弾けるようにしてその場から離れる。あまりの事に俺の心臓がバクバクと鼓動していた。

「す、すまねぇ。ゆ、裕美…お、俺…」
「………」

しどろもどろになりながらも何とか言うとするが、裕美は
顔を真っ赤にしながら俯いたままだ。
まずい、この場は何とかしないと…

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