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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 30

「ホント、麗華姉ぇの料理は美味いよ。俺、幸せだなぁ」
そう言いながら、俺は味噌汁と目玉焼きに舌鼓を打っていた。
「ホント?雅ちゃんもそう言ってくれると、お姉ちゃんうれしい!」
目をきらきらさせる麗華姉ぇ。余程嬉しかったみたいだ。

食事が終わると、俺は背もたれに体重をかけ、大きく息をついていた。
女になって気が付いたけど、食事の量が男だった時よりも少ない。
つい男の時と同じように食べようとして、無理をしてしまったようだ。
まぁ、体が以前より小さくなった所為かもしれない。
「ねぇ、雅ちゃん」
麗華姉ぇが、お茶を飲みながら話しかけてきた。
「今日はお休みでお天気もいいし、裕美ちゃんと一緒に出かけたらどうかしら?」
「マジで?俺、また女の格好で外に出るのなんかやだよ」
頬を膨らませ、ぶっきらぼうに言う。冗談じゃない。外に出たら昨日のように目だってしまう。それだけは嫌だ!
そう思っていると、裕美が身を乗り出す。おいおい何だよ。嬉しそうだな。
そして裕美は言う。

「うむ…分かったわ、それじゃ雅ちゃんの好きな衣装で良いわ」

俺は“良かった…”と思うと部屋に行き何時も出かける時の衣装に着替えた。
下はジーンズで上はTシャツにジャケット。
胸周りはキツイもののそれ以外はゆとりが有ってジーンズの袖は捲り上げジャケットは袖が長すぎるので仕方なく麗華姉ぇのを借りた。

「ジャケットはしょうがないないがワンピースよりかは遥かにマシだ」

着替終えた俺は二人にこう言うと突然裕美が俺の手を手に取る。

「お、おい裕美!何処に連れて行くんだ?」
「何言ってるの!貴女に化粧するに決まってるでしょ!」
「えぇぇぇ!!」
「あら良いわね、昨日はすっぴんでも綺麗だったから化粧をしたらもっと綺麗になるわよ」
「麗華姉ぇまで…」
「そうと決まれば、雅ちゃんは化粧のりの良さそうだから更に綺麗になるわよ」
「そんなぁ…」

その時、俺はさっきの裕美笑みの意味を知ったのだった。


十数分後…
裕美に麗華姉ぇが加わり俺に化粧をかけた。
二人曰く軽いナチュラルメイクと言うが化粧した事の無い俺にとっては苦痛以外のなにものでもなかった。
「どうかな?雅ちゃん」

麗華姉ぇが手鏡を渡す。化粧されている間、俺は喋る事も許されてなかった。
一体どんな顔になっているんだろうか。
俺は不安を持ちつつ、おそるおそる鏡を持って覗いて見る。

「……うっ、嘘ぉ」

それ以上言葉が出なかった。
鏡に映ったのは、思わず見入ってしまうくらい美しい少女の顔だったからだ。
細く美しいラインを描いている眉。睫毛も長く整えられて、パチッとした瞳がこちらを見ている。
愛らしい唇には、ピンクの口紅が綺麗に引かれ輝きを放っていた。

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