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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 125

「うふふ。あなたが封印の巫女なら、すっごく楽な仕事なのにね。
もっとも、あなたは意識だけで、体は男の心が支配している。
勿体ないよね、こんなにエッチな体をしているのに」

朱姫は、後ろに回ると、あたしのお尻をなではじめる。

「ふぁ、ああ、な、なに…?」

実体のない体なのに、すごく感じる。
この子の手つきは厭らしく、触られるたびにゾクゾクと悪寒がした。

「うふふ、触りごこちは極上。幻姫が言った通りだわ」

そして朱姫の気配が消える。
と同時にあたしの耳元で妖艶な呟きが、粘ついた吐息と共に吹きかけられた。

「ホント、あなたってかわいい。巫女の魂の一部とはいえ、極上の精気を感じるわ」 
脇から白くか細い手が伸びて、ぎゅっとあたしの体を抱きしめる。

雅章の意識の中なので、あたしは全裸のまま。

後ろから抱きしめる左手は、あたしのたわわな胸を撫で始め、右手は…ううん、秘部を撫で始めた。

実体がないのに、なぜか朱姫の指の動きに感じてしまう。

「ああ、どうして…あん…」

「うふふ。胸も大きいし、アソコも感じやすいのね。どうかしら、あなたの願いを私に任せてくれないかな?」

「ああん、どうやって…あ、あ!」

ふっと耳元に甘い息をかけられた。
胸にある敏感な突起をこねられ、そのたびに甘い疼きを感じる。
あたしを抱きしめる朱姫の動きも大胆になる。

「うふ、幻姫が言っていたの。六芒星と五芒星が交わった時に、男を味わえば、男の心が消滅して、あなたが完全に体を支配出来るってね」

朱姫の言葉に、あたしの気持ちがパっと明るくなる。
それって…あたしが表に出れるの?
このエッチな体をあたしの自由にできるの?

「まぁ、それ以上は言えないけどぉ。うふふ」

「あ、あぁん、イジワル!」

「あは、かわいい。もっとかわいがってあげるわ」

朱姫の手が本格的にあたしの体をいじり出す。
実体のない快感に、あたしは抵抗もなく溺れていった。


  ***


「体は健康そのものね。CTにも異常はありません。血液と尿検査の結果は後日お知らせしますね」
「…ありがとう、ございました…」

やっと終わった。
そんな心の声ダダ漏れであろうため息をつきながら、俺は頭を下げた。

基本健康優良児で、学校の健康診断の他に検査なんか受けたこともない俺にとって、清美さんの課した精密検査はめちゃくちゃにハードなものだった。

身長体重視力聴力血圧は言うにおよばず。
胃カメラは突っ込まれるわ、心電図をとるとランニングマシーンを全力疾走させられるわ、脳波測定といって変な装置を頭につけられるわ、CTだかMRIだかにも放り込まれるわ、血は抜かれるわ尿は採られるわ……きわめつけに、婦人科の内診も受けさせられた。

婦人科医が女だったのが救いだったのかなんなのか、自分でもよくわからない。ただ、男として大事なものを失った気がしたのは確かだった……

バスの時間を待つ間、一階のロビーでぐったりしていた俺の鼻先に、裕美がコーヒーを差し出した。

「はい。クリーム多めにしておいたわよ」

「さんきゅ…」

裕美の気づかいがうれしくて、俺はなんとか目だけ笑いの形にしてみせた。
ようやくほっと一息といったところだ。ぼうっとしたまま、ロビーを行きかう人波を見るともなしに眺めていたら、
 
「あっれー?雅ちゃんと天野、どしたの、こんなとこで?」

いきなり声をかけられて、思わず目が丸くなった。

「神村…さん?」

まさか会うとは思わなかった相手だった。
いや、別にいいんだ。いてもいいんだけど…病院と、神村。なんというかものすごく、似合わない。
病気になんかかかりそうもないし、ケガをしても舐めときゃ治るタイプの女だ、こいつは。

偏見に満ちた視線でまじまじと見てしまった俺に、神村は満面の笑顔を浮かべた。

「なに、雅ちゃん。ボクに見とれちゃった?」

なぜそうなるのか。
通常運転のふざけた言動に、疲れ切っていた俺は、小さくため息をついて、無言のまま首を横に振った。

「ちょっ、その反応はないよ、雅ちゃん!もっとつっこんで!スルーされると恥ずかしいんだよ!」
「ね、そんなことより」

神村の叫びを、そんなこと、と切り捨てて裕美が言った。

「病院に来るなんて、どこか悪いの?」

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