勾玉キッス☆ 124
着替えを終えると体を捻り、おかしな所がないかチェックをする。
このワンピース、裾が思った以上に短く、膝どころか白い太腿まで見えるので、思わずドキっとしてしまう。
胸元もなぁ…谷間が…ゴクッ。
ちょっ、ちょっとエロくね?
裕美もうんうん頷きながら
「思った以上ね。雅ったら何を着ても似合うし、羨ましいわ。そうだ、他にも雅にピッタリな服が
いっぱいあるの。探してもってこうようか?」
「やめてくれ。これ以上遅くなるつもりかよ」
「えへへ…ごめん。冗談よ」
まったく。清美さんとの約束を遅らせるわけにもいかないしな。
つうか、この格好だと外に出るのも恥ずかしいよ。
トホホ…
「何よ。ホントは喜んでいるくせに…」
深く、暗い、桐生 雅章という意識の底で、ひとりの少女が、半ばあきれたように息を吐いていた。
「ふん、自分は自由に動けるからいいじゃない。あたしなら、お洒落だってもっと上手に出来るし、オトコだって…はぁああ。」
思わず溜息が出る。
あたしは、あいつの意識の中にいる女の子。
エッチが大好きで、男の子に犯されたい淫乱な女の子。
あ〜あ…せっかく男の子が欲情してくれるこんなエッチな体なのに。
あの太くて逞しいオ○ンポをエッチなお口で咥えたい。
いっぱい、いっぱい、いやらしく舐め舐めして綺麗にしてあげたい。
この大きな胸でおもいっきり挟んで扱いてあげたい。
厭らしいオマ○ンコに太くて長いお○んちんを挿れてもらって、めちゃくちゃにしてもらいたい。
「ふぁああ…あ、あん…あ…」
いやらしい吐息とともに、妄想だけで軽くいってしまった。
欲情したオンナの本能がオトコを求めているが、すぐに冷めた感情になる。
「…ふん、男のくせに。あいつがこのエッチな体を使うなんて不公平よ。相応しいのはあたしなんだからね」
数週間前、魔物である幻姫のお陰で、あたしは外に出られた。
森崎 昌というムカつくやつに封印されそうになったけど、意識だけは、かろうじて残っている。
時折、あいつに囁いたり、毎晩、夢の中で犯されている所を見せているけど
これくらいしか、今のあたしには出来ない。
ああぁ、外に出られたらなぁ。
「そのためだったらなんでもするわよ!」
意識の底であたしは叫んだ。
その時……
「その言葉、ホント?」
そんな声が頭の中をよぎった。
訳も分からず周りを見回す。
「うふふ。ホントになんでもするのね? だったら、わたしがあなたの願いを叶えてあげてもいいけど?」
その声に振り向くと、声の主であろう、背格好が小学生低学年くらいの女の子が、
あたしを悪戯っぽい微笑みで見つめていた。
普通の人間ではありえないような、鮮やかなショートカットの紅い髪。
その顔は幼い中に妖艶さが色濃く入り混じる、端正なもので、黒いキャミソール一枚だけ身につけ
病的に白い肌を惜しげもなくさらしながら、あたしに歩み寄った。
「うふふ。あなたが雅章クンね。それともみやびって言った方がいいかしら?」
「みやびでいいわ。あなた……幻姫…なの?」
あたしは思わず口に出したが、目の前の少女は首を横に振った。
「ちがうわ。わたしは朱姫(しゅひ)…幻姫とは姉妹なの」
幻姫の姉妹…じゃぁこの子も…
そう思った時、つかつかとあたしの前に歩み寄り、腰に手を当てて見上げながら、にやにや笑っている。
「うふふ、 そうよ。わたしも妖将鬼のひとり。封印の巫女を堕すために、ここにきたの」
封印の巫女…
1000年前、強大な魔獣を封印した美しい巫女。
男である雅章やあたしがその生まれ変わりらしいけど、いまいち実感がわかない。
あたしの関心はオトコとのセッ○スなのに…
ふと、あたしを見上げる少女の赤い瞳の中に、思わず吸いこまれそうになる。