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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 108

「『全ての女性は等しく美しい』、てね」
「それが胸と何の関係があるの?」
「女性の乳もまた、等しく美しいのさ。
 女性の数だけ、乳がある。
 女性一人一人に個性があるように、乳にも個性がある。
 ボクはそう思っているんだ」

 神村は臆面もなく、堂々と言い放つ。
 その言い方に、委員長はあ然としている。
 ……神村。お前は『天の道を往き、総てを司る男』か。
 神村はさらに言い続ける。

「ボクに言わせれば。
 巨乳は切り札だ。多くの男はこれでコロッと参る。
 貧乳は希望だ。大きくも美しくもなれる可能性と未来を秘めている。
 美乳はお宝だ。重力にも負けず、美しい形を保っていること。それがお宝に値する。
 そして。大きさと美しさを兼ね備えたお宝の中のお宝。それが美巨乳なんだ」

 俺にはもう、神村に返す言葉がなかった。

「神村さん、そこまで言い切るなんて……」
「すごいよ。筋金入りの変態だ」
「森崎ぃ。それはボクにとってほめ言葉だ」

 裕美と森崎が口々に言い、間髪入れずに神村が言葉を返す。
 俺は開いた口がふさがらない。

「……前言撤回。筋金入りのド変態だ」
「森崎ぃ。もっと言ってくれ!」

 森崎が言い放った言葉が、神村を余計に喜ばせてしまう。
 ………だめだ、こりゃ。

「神村さん、ちょっと待ってよ。
 あなたにとって貧乳は希望かもしれないけど、私や胸の小さい人にとっては、貧乳は絶望なのよ。
 私だって、いろいろ努力しているのよ。
 バストアップのストレッチをやったり、胸が大きくなるサプリメントを飲んだりしたわ。
 今も続けているけど、思った以上には大きくなっていないのよ。
 それでも、希望って言えるの?
 私には、絶望にしか思えないわ」

 委員長が神村になおも食ってかかる。
 女の子って、見えないところで努力しているんだと、俺は思い知る。
 …俺は呪いによって、女になってしまったから、ちょっとだけ後ろめたいところはある。

「…裕美。女って、見えないところで努力してるんだな」
「えっ? 今さら何言ってんの? 女の子だもの。当たり前よ、そんなの」

 俺と裕美はヒソヒソと話をする。
 他の人には聞こえないように。

「委員長。今も続けているってことは、まだ諦めていないんでしょ?」
「そうよ。それがどうしたっていうの?」
「If you don't give up,it's never too late.」
「もし、あなたが諦めなければ、遅すぎることはない…」
「そう。諦めなければ、手遅れなんてないのさ。必ず、結果は出る。
 委員長には、まだ希望が残っているじゃないか。
 人の乳やスタイルに嫉妬するなんて、つまらないこと言うなよ」

 神村、結構いいこと言うなぁ。
 ところが。

「それに」

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