勾玉キッス☆ 102
トップは、ホルターネックストライプ付きのチューブトップで、明るいライトブルーに
リボンがアクセントになっている。
下も際どいハイレグタイプのパンツだが、同色のパレオも付いていて裕美のイメージにピッタリだ。
「うふ、ありがとう。この水着、雅章に…ううん、雅に見せたかったんだ」
裕美は両手を後ろに組んで、にっこりと微笑んだ。
か、かわいい。
思わず頬を赤らめる。
「ゆ、裕美…あ、あのね、その…ええと……」
んっ?これって好きな人の前で、恥ずかしがる女の子の反応そのものじゃないか。
お、俺は男だし、だからって…いや、今は女の子なんだから……ああ、もぉ!
「何? どうしたの、雅?」
「あ、いや……何でもない」
言葉に詰まる。完全にしどろもどろだ。
強気で勝気な裕美の、別な一面を見た気がして、俺は内心、素直に驚いていた。
よほど嬉しかったのか、裕美は喜びを隠せないとばかりに嬉しそうな顔をしている。
俺は自分が言ったことに少し恥ずかしくなって、目をそらしたつもりが、裕美の胸元に目を合わせてしまっていた。
女となってしまった俺よりも大きな裕美の胸。その胸元には、勾玉の形の痣(あざ)がくっきりと残っている。
今でも俺の首にジャラッとかかっている勾玉の首飾り。
これに裕美が触れた時に、どういう訳か裕美の胸元にあの痣が出来ていた。何日かすれば、痣は自然と消えるはずなのに、勾玉の痣は消えるどころか、くっきりと残っている。
「ねぇ、雅。どうしたの、さっきから私の胸元ばかり見て」
「いや、裕美のそれ……」
「私の何?」
「痣、まだ残っているんだなって」
裕美が自分の胸元を見る。
「うん。まだ…残っているみたい。
でも、気にしてないから。むしろ、雅に言われるまで忘れてたくらい。
それに…“これ”は私の決意の証だから……」
「痣だの決意だの言ってるけど、何そこで意味深なこと言ってるのかなぁ?
良かったら、ボクにも教えてくれる?」
神村が口を挟む。俺と裕美は揃って神村を見る。思わず鼻血が出そうになり、俺はまたしても口元を手で覆った。
口を挟んだ張本人の神村は、あろうことかタオルで体を隠すことなく、堂々とアンダーショーツをはいていた。
もちろん、ブラなんか着けているはずもなく、意外なくらい豊かな胸と先端の“さくらんぼ”がかすかに揺れていた。
神村のブラとショーツは、制服と一緒にロッカーに放り込まれている。
裕美が呆れた顔で神村を見る。
「痣とか決意とかは、私のことだから大したことじゃないけど、少しはタオルで隠すなり何なりしたらどう?」
「どうしてさ? 覗き見なんて誰も出来ないんだろ? だったら、タオルで隠す必要なんかないじゃないか。