女性化パラダイス 9
光との会話の一部始終を話していくと真央は、
「洋君もそういう表情する事ある。」
「やっぱりそうか。」
すると隣の学級の遥が、
「彼氏の話題で盛り上がるわね。」
「彼氏って・・・遥にも新君がいるじゃない。」
「あれはそういうのじゃない。」
否定する遥に対し、真央は苦笑いをし、
「菓子パンばかり食べているからってお弁当を新君のまで用意しているのにね。」
「あれの母親に頼まれて・・・」
「噂をすれば新君、かなり痩せたね。」
「は、はい。」
はにかむ新に対し遥は、
「油断するとまた太ってくるから、気が抜けないよ。」
優と真央がそれぞれ光と洋を連れてスポーツセンターのプールへやって来ると、
遥と新が泳いでおり、真央が声をかけてみると、
「真央、また冷やかしに来たのか。」
「遥、素直になりな。逞しくなった新君と手を繋いですっかり乙女の目だよ。」
遥らが上がってくると優が、
「新君、光さんや洋君と並んでも違和感無いね。」
「そ、そうか。」
背丈こそまだ160cmに満たないが、
小学6年から中学に入学するまでに激太りしたせいでボタンが弾けそうだった腹周りは、
腹筋が縦に真っ直ぐ浮かび上がって、肩も張り出してきており、
「あ、あれが普通じゃないのか。」
「背も入学した当初より一気に高くなったよ。」
一方、光、洋、新は、
「光さん、元々女だったんですか。」
「どっかからどう見ても男にしか見えませんよ。」
「それより新だっけ、真央から聞いたけど水泳部に入部したってね。」
「遥に甘えてばかりじゃなくていけないと思って・・・」
すると真央が、
「水泳部で鍛えてるから、結構いい身体になったよね!」
「いやいや。俺なんかとても洋くんにはかなわないよ」
そう言って洋を見つめる新。洋は新と同じ中学1年生だが、長身で引き締まった身体をしていた。
「洋くんって、将来のオリンピック選手を育成するジュニア強化選手に選ばれているって、真央が言ってたけど…」