女性化パラダイス 8
すると光は、
「それも考えて相談してみたけど、もし女に戻っても背は高いままみたいで・・・」
光の言うように女性で長身というのはバレエをやるに不利でしかなく、
光自身、発症する前から女である事に違和感があったので、
男の方が自分には合っているし、男でもバレエをやれると思うようになって、
「それとオデット姫にふさわしい娘は目の前にいるしね。」
「わ、私が・・・」
帰宅してからも光の言葉が頭から離れず、
「オデット姫か・・・」
「優、さっきからどうしたのよ。」
綾に光の事を話すと、
「なるほどね。でもオデット姫を演じるならもっと練習しないと。」
それから数ヵ月が経って、
「真央ちゃん、もうすぐ身体計測だね。」
「そうだね。」
明後日、校内で身体測定をすることになっていた。
「優ちゃん、最近、胸が大きくなったんじゃないの?」
「そういう真央ちゃんだって…」
互いの胸を見つめ合いながら話す2人。
放課後、優は新体操部、真央は水泳部へと、それぞれ練習に出た。
レオタードに着替えた優は胸が少しきつくなった様な気がした。また、競泳水着に着替えた真央も同様であった。
あの日以来、優は光と時々会っては楽しく交わっていた。しかし、オデット姫の件については、
「私はこれからもずっと新体操一筋に取り組んでいきたいから、光さんの期待には応えられません」
優は光にそう伝えていた。
「私は新体操をやりたくて女になったんですから…」
優の言葉に光は、
「そうか、君ならやれるかなと思っていたけど、ちょっと一方的過ぎたかな。」
「私は母や姉のように新体操をやってみたくて女に・・・」
バレエにも魅力を感じてはいたが、中学に入ってから胸が大きくなり、
背丈も姉の綾とほぼ同じになってきた上、
母や姉と一緒にやる為に始めた新体操にのめり込むようになって、
「そうか。」
光は優の新体操をやるという意思を尊重する一方、
レオタードを着けた優を思い描いて勃起しているのがばれないかと焦っていたが、
すると優が、
「光さん、変な事を考えてますね。」
「ど、どうして・・・」
「普段見せないような表情をしてますから。」