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詩織=10分の1
官能リレー小説 - 二次創作

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詩織=10分の1 2

詩織が教室に戻ると、賢人が先に戻っていた。
「よお詩織。また胸が大きくなったんじゃないか?」
賢人は詩織の胸を見つめながら言った。
「胸も少し大きくなったけど、背だって少し伸びたわよ。ケンくんこそ、また背が伸びたんじゃないの?」
「ああ。185センチだぜ」

この日、各クラブは新入生勧誘の活動をすることになっている。詩織は新体操部、賢人はサッカー部である。

「部活が終わったら一緒に帰ろうぜ」
「ええ。でも、紐緒さんに呼ばれていて、帰る前に化学室に寄ることになってるの」
「えっ!?」
驚く賢人。
「それって、気をつけたほうがいいぜ」
「別に、大丈夫だと思うわ」

2人は教室を出て、それぞれの部室へ向かった。そして、詩織は新体操部の部室でレオタードに着替えるとそのまま練習場に向かった。

この日はきらめき高校の敷地内に新しく建設された体育館のオープンの日だった。それは大規模な複合施設で、スポーツセンターの様な感じだった。バスケットボール部やバレーボール部が練習に使用する、講堂を兼ねたアリーナの他、柔道場、剣道場、空手道場、トレーニングルーム、多目的ホール、地下には屋内プールがあり、また、各運動部の部室、男女別の更衣室にシャワー室など、設備が充実している。 その一角に、詩織の所属する新体操部の練習場となっているホールがあった。

新体操部の練習場には、入部希望や入部を検討している新入生女子たちが集まっていた。また、スポーツジャーナリストの姿もあった。その他は顧問の麻生香澄の許可を得た者以外は立ち入り禁止になっていた。

「これより3年生の藤崎詩織が模範演技を披露します。皆さん、どうぞ御覧ください」
香澄がマイクを手にしながら言うと、詩織はリボンを手にし、13メートル四方のマットの中心に立って演技を始めた。


科学部の部室は校舎の地下の奥にあり、その科学部室の中の奥に紐緒結奈の秘密の研究室はあった。詩織が模範演技を披露しているその頃、結奈は自身の研究室にて詩織を待っていた。

結奈は椅子に座りながら、机の上に置いてある物を手に取り、それをジッと眺める。それは光線銃の様な形をしていた。
結奈は椅子から立ち上がると、それまで座っていたその椅子に銃の先端を当て、引き金を引いた。すると、その椅子はたちまち光に包まれると、見る見る小さくなった。結奈はミニチュアの様に小さくなった椅子を手に取り、それを見つめながらほくそ笑む。結奈が使った、椅子を小さくしたのは、非生物に限り物体を10分の1サイズに縮小する装置だった。結奈はレバーを操作し、小さくなった椅子に再び銃の先端を当て、引き金を引いた。すると、椅子はたちまち元の大きさに戻った。

これとは別に、結奈は生物を10分の1サイズに縮小する装置を既に完成させていた。犬でその効果を試したところ、成功していたが、何よりも人間で試してみたい結奈は詩織に白羽の矢を立てたのである。

結奈は、これから詩織で試そうとしている装置に“ニルスX”と名付けていた。これはスウェーデンの児童文学『ニルスのふしぎな旅』の主人公ニルスにあやかったものである。また、非生物の物体を縮小する装置を“ミニチュア変換銃”あるいは“ミニチュアガン”と呼んでいた。

「そろそろ行こうかしら」

結奈は時計を見て呟くと、部屋を出て、詩織のいる新体操部の練習場へ向かった。


詩織はリボンに続き、クラブ、フープ、ロープ、ボールと、5種類の手具の演技を次々と披露した。詩織のその見事な演技に対し、次々と惜しみない拍手が送られた。
昨年、地区大会や全国大会で素晴らしい活躍をしただけあって、公開模範演技における詩織の演技はとても見事なものだった。そんな詩織は高校スポーツ界のアイドル的存在だった。
結奈がその場に姿を見せたのは、詩織が最後のボールの演技を始めたちょうどその時だった。

詩織の模範演技は一部始終ビデオカメラで撮影された。それは明日からきらめき高校ホームページで配信されることになっている。また、写真部によって、公開模範演技における詩織の写真が百枚以上撮られた。

演技を終えてマットの外に出た詩織に、数人の新入生女子が近付いた。
「藤崎さん、とても素敵です!」
「素晴らしい演技でした!」
「私も藤崎さんと一緒にやりたいです」
彼女たちは以前から詩織に憧れていて、既に新体操部に入部することを決めていたが、詩織の演技を間近で見て、改めて魅了されたのである。

「詩織さん」
自分を呼ぶ声に詩織が振り向くと、目の前に結奈がいた。
「約束どおり、これから一緒に科学部室に来てくれるわよね」
「ええ!ちょっと待ってて。これからすぐ着替えるから」

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