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世紀末を生きる女傭兵部隊
官能リレー小説 - 戦争

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世紀末を生きる女傭兵部隊 7

なのでシティ全般のスローガンである『外界の汚染生物の排除』を実行するしかなかったのだ。事実彼は今までも小規模のゴロツキやレイダーの集団をいくつか潰したことで票を集め今の地位に座り続けているのだった。

(さっさと終わらせて高級娼婦アンドロイドを抱くか……)

そんな事を思っている内に、1kmまで迫った時だった。

「ん?」

ふとモニターを見ると遊園地の入り口が開いていたのだ。いつもなら接近するとレイダー連中は慌てて閉めるはずだった。

「ふん、馬鹿共が。どうやら閉め方がわからんようだな。」
「どうしますか?罠の可能性も……」
「構わん、いつものようにドローンを突っ込ませろ!」

男に言われてオペレーターはドローンに命令を下す。するとドローン兵士は我先にと入り口に殺到した。

「何があろうとこれだけの数が相手ではどうにもできんわ!」

最早勝利は確定した。そう言おうとした瞬間、入り口に着いた先頭のドローン集団が爆発の轟音と共に吹き飛んだ。

「な、何だ!?何が起こった!?」

予想外の事態に慌てた男はモニターを凝視する。入り口付近は砂煙が舞い視界が悪かったが徐々にそれが晴れてきた。
そしてそれが現れた時、男の顔に冷や汗が流れた。

「ば……馬鹿な、『ウォーカー』だと!?」

ウォーカーとは戦前に作られていた一人乗りの多脚戦車である。相撲のようなずんぐりとしたモノアイ付き胴体にローラー付きの太い四本脚、両腕にはバルカン、両肩には戦車砲が取り付けられており陸上戦で活躍していた。
ただし戦後は核により多くが破壊されて、男が記憶しているのは残っているのは大規模シティに十数台ずつ運用されているものだけの筈だった。
それが外の連中、ましてやゴロツキなんかに扱える筈がなかった。
だが現にそれはバルカンの斉射でドローン兵を次々に片付けていったのだった。

「おーし、あらかた数が減ったな。モニカ、そろそろ突っ込むよ!」

そのウォーカーを操縦していたのはライカである。

「わかった。パワード部隊、敵本陣に突っ込むわよ!」

モニカはウォーカーの頭付近に、パワードスーツを着こんだ四人の女達はそれぞれ両脇に捕まった。因みに部隊の中にはシオンがいた。

「よーし、振り落とされるなよ!」

ライカがペダルを一気に踏むと、脚のローラーが回転し加速する。

「て…敵、こっちに向かって来ています!」
「言わんでもわかっておるわ!!撃てぇ!!」

男の怒号と共に銃弾を放つ。だが今までドローンに任せっきりだったためか全く当たる気配がない。その間にもどんどん距離を縮めていく。

「ライカ、そろそろ降りるわ、スピードを緩めて。合図するから同時に戦車砲を装甲車に叩きこんで!」
「ラジャー!」

そしてとうとうウォーカーは人間兵士のど真ん中に突っ込んだ。泣き叫びながら逃げる兵士達。逃げ遅れた者は勿論引き殺された。

「今だ!!全員降下!!」

モニカが合図する。と同時に彼女は飛び両側のパワード部隊は滑りながら着陸する。そして右肩の戦車砲が火を噴いた。
発車された弾丸は装甲車の一台を簡単に貫き爆散する。間髪入れずもう一台を左肩の砲でスクラップに変えた。
一方のモニカは今だに逃げ惑う兵の中に降り立つ。そして刀を抜くと目の前の男を一刀両断にした。

「ぶげぇっ!?!!?」

そこからは一方的なジェノサイドだった。モニカの刀身が煌めく度に兵士達は切り捨てられいく。装甲車はウォーカーによって全部破壊された。そして戻ってきたドローン兵はパワーアーマーの一斉掃射によって一体残らず駆逐された。

「な…ぁあ……が……」

モニター越しに見ていた男は開いた口が塞がらなかった。今までなら阿鼻叫喚で逃げ回っていたのは外界の連中の方だったのだ。だが今回は全くの逆の光景がひろがっていたのだ。

「せ…戦線崩壊!!退却を!退却の指示を!!これはもう戦いではありません!!」
「ふ……ふざけるな!!このまま逃げ帰ったら私の地位が……」

ガン!

「な…何だ?今の音は?」
「…う……上から?」

その場にいた全員が音の発生源である天井を見上げる。次の瞬間、ゴスッ!という音と共に刀の切っ先が顔を覗かせた。

「げぇええ!!?」

男が驚くのも無理はなかった。このトラックの材質は厚さ1cmのアルマ鋼と呼ばれる鋼鉄で出来ていたのだ。並の重火器ですら傷一つも付かない代物が今まさにギーギーと音を立てて円盤状にくりぬかれたのだった。

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