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世紀末を生きる女傭兵部隊
官能リレー小説 - 戦争

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世紀末を生きる女傭兵部隊 13

「あぁ〜…最近のネズミって結構肥えてんのねぇ〜?何喰ったら…こんなに脂っこく育っちゃうワケぇ〜?」
「ミミズってさぁ〜…地面に埋もれた栄養だけで育つらしいけどぉ〜…このプッチプチな歯応えぇ〜…エンジニアの端くれとしては研究対象…あーもぅいいや?ふもっふ!」

核で枯れ果てた大地でも、それなりの飼育設備に雑草でもブチ込んどけば、トンボだってオケラだって生きたいから死にたくないから勝手に育って、命を繋ぎたいから繁殖してくれて養殖は可能な訳だ。

そいつらを食材として腹を満たす罪深い人類の生存本能、そこに唯一の贖罪とは、たとえ商売でもこうして調理して美味しくいただく事、ぐらいだろうか。
どれだけ文化文明日常生活が崩壊しても、いや崩壊しているからこそ…美味いモノを食いたい食わせたい、ニンゲンだもの。


例えばここで仕入れている特大ミミズは、ちゃんと腐葉土で育てた上、キチンと泥抜きしてから腸詰めっぽく加工している。
バーガーのネズミだって(げっ歯塁なので)幾らか歯応えがあり鉄分カルシウムを含んだ雑穀を主食に、代用油脂に使えるような品種の雑草で程よく肥らせている。

二人がそんなディストピア食のアタリを引いて嬉々満面としていた所、風の色が変わる。



…赤錆や…酸性雨さえ…涸れた大地に…
…野生野蛮の…おたずねものよ…

様々な有害物質を混じえた、赤い砂塵が吹き荒ぶ風と共に現れたのは、上半身裸でソウドオフ・ショットガンをガンベルトにブチ込んだ筋肉モヒカンを筆頭とした、十数名ほどの武装集団。
骸骨の様な痩躯に死んだ魚の様なギョロ目、さながら刺身包丁が如く研ぎ澄まされたナイフを舐め回すスキンヘッドのパンクス。
場違いそのもの白いタキシード姿で、トランプカードの束をジャグリングしている、まさかそれを武器にするのか気怠い目付きの伊達男。
力自慢だけならボスにも負けないとばかり、その辺から拾ってきた古タイヤを暇つぶしに引き千切る、白黒の毛並を持つ熊の様に巨大な生物。
そんな奴等の専属娼婦だろう二人の女、彼等の間を踊る様に媚びを売りつつ、あざといボディタッチと吐息を交えてすり抜ける猫耳と兎耳、肌色面積の広げた女性士官軍服のスリットにスナブノーズのリボルバー、安いころん牙を隠した…ビッチ共!


そんなヤバめな一団に、一見冷静なエンジニア娘は緊急時に供え、懐にコックアンドロックで収めた45口径オートマチックに手を添えた。

こっから先は、鉛玉のキャッチボールだ、とばかりに、冷静なエンジニアが熱くなっていた…。

「「カロッサさんっ?おっかれさぁっ〜す!」」

ノリノリで挨拶してきたチンピラ集団に、冷静なエンジニアは肩透かしを喰らい、シオンにコウモリナゲットを一切れ摘み食いされた。

どうやらこの界隈における、カロッサ班の治安維持は上手くいっている模様、と理解したリーシャはショルダーホルスターの拳銃から離れた返す手で、カリカリバッタフライを数本ひと摘み奪い取り、さり気なくナゲットの仕返しをする。
リーシャ的に本音を言えばこっち系なら、イナゴのほうが好みかなという考えを脳内の空きスペースに放り込み、はいはいカロッサお嬢様そういう手口ね?と分析していた。

こうしたちょいと栄えたコミュニティに流れついて居着いて屯してイキってる、チンピラ集団は案外扱いやすい。
不条理に因縁つけてボコってシメて…いやこちらの力量を見せてビビらせつつも、相手が負けた上でもアタマの顔が立つ程度の喧嘩でもすれば(ハーメルン側が上位で)協力を仰げる訳で、カロッサお嬢はそういった匙加減が得意な人種であった。

「ちょっとガラは悪いけど性根が素直な連中だから、アッサリ地廻り…コホン…町内パトロールぐらいのボランティアは引き受けてくれましてよ?」

カロッサがそう曰いながら縦ロールを弄くりまわしていると、その髪型とよく似たクロワッサン(素材おから)が運ばれてきた…フナマヨサンドだ。


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