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世紀末を生きる女傭兵部隊
官能リレー小説 - 戦争

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世紀末を生きる女傭兵部隊 6


「あっ、そうだ。頼まれていた物修理できたよ」

と、リーシャがポケットから出したのは小型のドットゲーム機とポケットラジオだった。

「一昨日市場に行ったらね、奇跡的に無傷の充電式の電池型バッテリーが売られていたの」
「ありがとう!やっぱもつべき物は友達ね」

シオンは早速ラジオの電源を入れてツマミで周波数を合わせる。

『……ザーザー……今日の……快晴………お話……次は……ヘイヘイ!ノってるか!?次の曲は掘り出し物サ!大戦前の人気バンドのヘビーなやつサ!ではイクぜ!!』
「おー!受信も良好、これならラジオの取り合いしなくて済むわ」

次にゲームの方を起動する。戦前では骨董品のレトロなゲームだがこの時代では数少ない娯楽なのだ。

「お…おぉ……これは……なかなか……」

いつの間にか二人の周りには人だかりができており、音楽を聞いたりゲームの方を見たりしていた。

「よし……よし…あと少しで………」

クリアできる!そうシオンが思った時だった。

ウーー!!!!ウゥーーー!!

「えぇ!?ちょ……何!?」

突然けたたましいサイレンの音が鳴り響き、それに驚きミスをしてしまったシオン。画面にはGAMEOVERの文字が表示されていた。

「敵襲!?誰ようちに喧嘩売る馬鹿は!!」
「誰か隊長呼んできて!急いで!」
「戦闘員は集合!非戦闘員は地下に避難して!」

食堂は一気にあわただしくなり、戦う者は武器を持って次々外へと飛び出していった。
シオンもまたリーシャにゲーム機を渡すと急いで残りのご飯をかきこんだ。

「ごめんリーシャ!また後で!」
「うん!頑張ってね」

食堂を出て、壁に設置された梯子を上っていく。すでに上には何人かが銃を持って構えていた。

「敵は?」
「まだ見えない。けど見張り小屋から緊急要請がきたから多分来てる」

と、丁度そこにモニカとライカがやって来た。が、不満そうな顔をしてた。全員わかってた。二人がこの顔をするときは決まってセックスを中断された時だと。

「それで……敵は誰?」
「はい、『シティ』の連中のようです」
「シティ……あぁ、そろそろ選挙の時期だから大方点数稼ぎであたしらみたいなゴロツキ連中をお掃除する気だね」

ライカは納得したように頷く。
シティとは巨大な対核ドームに収納された都市の総称である。戦争後最も発展しており、充実した衣食住や汚染されてない人間や動植物が住んでいる世紀末の楽園のような場所である。
しかし、それ故に外の世界を穢れた大地と呼びそこに住む生き物を毛嫌いしていた。勿論外の人間も例外ではなくシティの連中は彼らを人として見ず害虫と同程度に扱っていた。

「なるほど、私達も甘く見られたものね。そんじょそこらのチンピラ共と一緒だなんて」

モニカは刀を抜くとその切っ先を敵が向かってくる方向に向けた。

「なら教えてあげましょう。一体誰に喧嘩を売ったか。ライカ、迎え撃つわ。あれの出撃許可をだす」
「了解、パワーアーマー部隊と共に迎撃準備にかかる」

一方その頃、複数の装甲車と一台の武装トラックがアメリア遊園地の数km手前で止まっていた。
既に部隊は展開しており、一番前には人型ドローン、その次にガスマスクを着けた生身の兵士、その後ろには装甲車が並んでおり最後尾にトラックが陣取っていた。その陣形は上から見れば三角形になっていた。


そのトラックの中は指令部になっており数人の若い美人オペレーターが部隊の確認をして、一段凸っている所に指揮官らしき太った男が座っていた。

「部隊の展開、完了しました」
「よし、進軍せよ」

男の合図と共に、ゆっくりと動き出す軍団。

(はぁ…………この時期が一番嫌なんだよな。いくら票集めとはいえこの私がこんな汚ならしい外界でゴミ掃除など)

男は心の中で悪態をついていた。
彼は数あるシティの中では人口千人程度の小さい方、言うなれば地方の一議員である。議員と言ってもその業務の殆どはアンドロイドやドローンがやっていて、唯一の仕事といえば完成した書類に判子を押すだけであった。
なのに給料はシティの一般人より高いので、シティの議員職は所謂勝ち組であった。
それ故に男はその椅子から離れたくなかった。一番手っ取り早いのはライバルを暗殺することだが彼にはそれをするだけのパイプがなかった。

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