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絶対男尊国家の仕事人
官能リレー小説 - 戦争

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絶対男尊国家の仕事人 1


様々な文化の混じりあった独自の文化を持つ北の島国、ジョノシアン王国。
この国には、鉄の掟がある。
(絶対男尊法)
人口の八割が女性と言う特殊な環境から出来た法律。
男性に特権(免税、女性からの自主的徴収権、女性殺害時の免罪等)が与えられ。
反面的に女性がその、しわ寄せ(重税、自由無し)を受けている。
これには理由がある、二度にわたる世界大戦は何れもジョノシアン王国があるジョノシアン諸島群の海洋資源を巡って各国からの侵略者を撃退した結果、男性と女性比率が崩れた。それでも独立を保持出来たのは諸島群の特異的な海流や相手国の疲弊によるものであったがこの世界大戦は同時に近代化戦争として戦死者を増やす結果になり、この王国は兵役が男の義務であった故にこの様な事態を引き起こした。国際社会もこの法律に対しては強くは言えない、責任は自分達にもあるからだ。


ここはジョノシアン王国の片田舎にある小さな村…。
「ただいま!姉さん、クリス」
「お兄ちゃん!」
「アンリ!良く無事で戻って来てくれたわ」
今、一人の青年が2年間の兵役を終えて故郷へ戻って来た。
彼の名はアンリといい歳は22。
姉ユリア(27)と妹クリス(16)と三人で暮らしている。
父は5年前に終結した先の大戦に従軍して戦死。
もともと病気がちだった母も3年前に病死した。
「二人とも僕が居ない間、変わり無かったかい?」
「ええ。男が兵役で家を空けている間、留守をしっかり守るのがジョノシアンの女の義務だからね」
そう言って微笑む姉のクリス…彼女は一度結婚して家を出ている。
やはり先の大戦で夫を亡くし、子供が居なかった事もあって家に戻って来たのだった。
だがこれは特に珍しい事ではなかった。
それほど先の大戦は激戦だったのだ。

土産話でひとしきり盛り上がった後、アンリは腰を上げた。
「さて、市場へでも行くか…どうせ家にはロクな食材も無いだろう?」
「やっぱり家に男が居てくれると助かるわぁ〜。お礼に晩ご飯は腕にヨリをかけて作ってあげるからね」
「やったぁ〜♪今夜はご馳走ね」
「クリス、荷物持ちに付いて来てくれ」
「うん!」

アンリはクリスを連れて村の市場へやって来た。
‐八百屋‐
「あら、アンリ!村に戻って来たのかい」
「やあ、おばさん。ニンジンとタマネギとトマトとキャベツちょうだい」
「あいよ!持ってきな」
しかしアンリは受け取った野菜の代金を払わない。
ジョノシアン王国の20歳以上の全ての男性に(兵役の義務と共に)与えられている“女性からの自主的徴収権”があるからである。
だがそんな調子でも商店は潰れない。
なぜなら女性客に対しては通常よりも何割か増しの値で売っているからだ。
そして現在のジョノシアン王国は男性が極端に少ない。
これがこの国の現状であった。
圧倒的大多数の女性が圧倒的少数の男性を養う社会構造。
その代わり男性は一度戦争となれば兵士として身を捨てて国を守る。
昔からジョノシアン王国には“男は命懸けで国(女)を護り、女は男に徹底的に尽くす”という美徳があった。
それが二度の世界大戦を経て更に特化され、歪(いびつ)に変質し、現在に至るのである。
アンリとクリスは様々な店を回り、食材や日用品を調達した。
「お兄ちゃんのお陰で私達の生活が豊かになるわぁ〜♪」
タダで得た品物を詰めたリュックサックを背負ってクリスは上機嫌だった。
ちなみに力仕事や雑務も女性の仕事とされている。
「ところでクリス、新しい服欲しくないか?今着てるのはボロボロじゃないか」
「良いの!?」
「ああ、ただし一着だけだぞ?」
「やったぁ〜!お兄ちゃん大好き〜♪」

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