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原始戦争
官能リレー小説 - 戦争

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原始戦争 2

太一郎の顔に笑みが浮かんだ。
少女と言えども、女を見るのは久しぶりだった。
内地にいる時分には、慰問と称した商売女に触れる機会はあったが、
離島に来てからはそれも叶わず、男だけのもんもんとした生活を虐げられてきたのだ。

肩ひじを立て、半身を起こす。
額に張り付いた汗が、胸に流れる。
その時始めて、自分が薄汚れた褌一張であることに太一郎は気づいた。
辺りを見回しても、海軍将校の軍服は見当たらず、武器は愚か、軍で支給されたブーツですら無くなっていた。

"落ち武者狩りかよ"・・・
太一郎は戦国時代に、負けた側の武将の甲冑から衣類に到るまでの総べてを剥ぎ取り、
それを金に変えた民がいたということを思い出した。
そして残された褌を見詰め・・"武士の情けかよ"・・と、それを奪いはしなかった者に対して、皮肉混じりに笑った。

「?ノルイテッラワニナ」
そんな太一郎に向かって、少女は不思議そうに微笑んだ。
「だめだ、だめだ。君の言葉は全く分からないよ。」
太一郎は背を起こし、少女の頭を撫でた。
櫛のように指腹を開き、その髪を梳いた。
髪飾りのハイビスカスがふわりと落ちる。
太一郎はそれを追うように、視線を落とした。
少女の豊かな乳房・・見ない訳は無かった。
小さな乳輪は肌よりも幾分かは褐色を増し、その上の突起はポツンと上を向いていた。

「!イゴス“タイチロー”]
少女は意味不明な言葉を吐き、クスクスと笑った。

少女の視線の先は、太一郎の褌の上に落ちたハイビスカスだった。
それを持ち上げる様は、まるでこの花の茎のようだった。



太一郎は顔が高揚するのを感じ、それを両手で覆った。
そして、最後に抜いたあの日を思い出していた。

戦況が上向きの時であったとしたならば、任務遂行の前夜に女を宛てがわれることは常であったが、
食べるものも事足りぬ、離島での旅立ちではそれも叶わず、
せめてものと言う上官の計らいで、鈴木と二人、数時間の個室の利用を許された。

当然、軍生活を送っていても自慰行為は行なう。
皆、男なのだ。
しかしながらそれは人知れず、便所でであったり、寝静まった隣人に気づかれないようにそっと行なうしかなかった。

任務遂行にあたり、名ばかりの少尉という称号を貰いはしたが、所詮、太一郎は一等隊、
人目気にせず、素っ裸で自慰を行なうこと自体、この時が久方ぶりであった。

あの日からどのぐらい経っているのか?
自分がどのぐらい、ここで眠っていたのか太一郎には見当もつかなかったが、
個室では3発も抜いたというのに、この自身の昂りを見て、それは数日間は経っているのだろうと、時は読めた。

「!ニノイナトコルガシカズハ」
少女は太一郎が両手で覆った箇所を見てクスクスと笑った。

言葉は通じなくとも、その屈託の無い笑顔を見ると、太一郎の心は癒された。
この大自然の中で、自分の昂りなど小さなことで、それを隠すこと自体が不自然なことのように思えた。

太一郎は両手を退け、汚れた褌の腋に手を掛け・・・・それを開いた。

「!ァワ」
少女は驚いたように目を丸くし、みるみるうちに頬を染めた。
それは太一郎が自らを曝け出した行為からくるものだけではなかった。
太一郎の聳り勃ったモノは、少女が現地で見る男たちのモノとは、雲泥の差があったのだ。

少女の赤らむ顔を見て、太一郎が恥ずかしくない訳は無かった。
世が世なだけに、太一郎とて女に長けていた訳ではなかった。

女との交わりは蝋燭の灯火の中でが常であったし、それも戦火が激しくなるにつれ、暗闇での営みとなった。
それすら離島に来てからは叶わず、ただただ心に思い描く女体を妄想するしかなかった。

このように眩しい太陽の下で、少女といえども女の身体を見るのは始めてであったし、
ましては自分の昂った性器を丸々と屋外で晒すことなど、日本の地ではあり得なかった。

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