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日常から非日常へ
官能リレー小説 - 戦争

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日常から非日常へ 16

そう言うとリュウは女達に指示を与えていった。
「まず、かなみ達の部隊は埼玉方面を探ってくれ。円達の部隊は船橋から出来れば浦安まで頼む。真千の部隊は基地で待機。俺は松戸から都内の方を見てみようと思う」
「や…やっぱり東京の方なのね…」
「せっかく流山まで命からがら逃げ延びて来たのに…出来れば都内には戻りたくないなぁ…」
都心の惨状を思い出し、思わず弱音を吐く省吾となつみ。
「二人とも何を弱気な事を言ってるんです!?浚われたみんなを助けるんでしょう!?私は長門を助けるためなら地獄の底にだって飛び込んで行きます!」
その二人に対して喝を入れたのは何と意外にも梨華だった。いつものノンビリした調子とは打って変わって真剣な梨華に驚きつつも、省吾となつみは気を取り直した。
「そ…そうだよな。みんな今頃どんな目に遭ってるか分からない。一刻も早く助けに行ってやらなきゃ!」
「そ…そうよね!」
「ハハハ…その意気だ!よし、俺達も行動開始だ!」
「「「はい!!」」」
リュウの指揮の下、かなみ、円、リュウは各々の指揮下の部隊を引き連れて各方面へと向かって行った。

「…と言っても俺達は留守番組で、みんなが戻って来るのを待つだけなんだけどね〜」
リュウ達が出て行ってしまった後のビルで、省吾は頬杖をつきながら空の雲を眺めてポツリと呟いた。
「油断しちゃダメだよ省吾。いつ敵が襲って来るか分からないんだからね」
「そぉ〜ですよぉ〜、省吾さぁ〜ん」
「わ…分かってるよ」
今このビルに残っているのは真千と彼女の部隊の約10名だけだ。正直今敵の襲撃を受けたらかなり厳しい。

リュウをリーダーとするこの集団は、かなみ、円、真千、そして敵のスパイだったシュンニャンが各々10名前後の部隊を率いる合計40〜50名程度の集団である。リュウは元は自分の手勢は持っていなかったが、シュンニャンがいなくなった事で今は彼女の部隊を率いている。
なぜリュウはかくも早期にこのような集団を組織する事が出来たのか?
それに何で構成員が女ばかりなのか?
省吾には謎だらけの集団であった。

「そう言えば梨華ちゃんって、長門ちゃんとはどういう関係なの?」
「ふぇ〜?私と長門ですかぁ〜?」
なつみと梨華は楽しそうに会話をし始めた。その光景を見ていた省吾は一瞬、自分が非日常の世界にいる事を忘れかけた。それはごく普通の女子高生と女子中学生の会話だった。二人がその手に銃を持ってさえいなければ…の話だが…。
「確かにさっき『長門を助ける』って言ってた時の梨華ちゃん、すっごく真剣だったもんなぁ…二人は親友なんだね」
省吾も二人の会話に入る。
「親友かぁ…それ以上かも知れないなぁ…長門はねぇ、私の恩人なんです…」
「…恩人?」
「はい…私ね、レイプされてたのを長門に助けてもらったんです…」
「えぇ…っ!?」
「り…梨華ちゃん、朝鮮兵にやられたの…!?」
意外な告白に驚くなつみと省吾。梨華は笑って言った。
「あはは…違いますよぉ〜。ずっと以前の話です。ほら、私って昔っからボケ〜ッとしてたから、質の悪い男に騙されちゃって…のこのこついて行ったら廃工場みたいな所に監禁されて男とその仲間達に処女奪われて、そのまま三日間ぐらいずっとレイプされ続けたんです。20〜30人ぐらいにやられちゃいました…えへへ」
「……」
「……」
二人は言葉が出て来ない。まさか目の前のとぼけたような少女がそんな壮絶な体験をしていたなんて…。

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