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戦国相姦 ‐淀君と秀頼‐
官能リレー小説 - 時代物

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戦国相姦 ‐淀君と秀頼‐ 22

彼が大広間に姿を見せると、大野治長たちが平伏する。
「上様、おはようございます。」
「うむ。」
するとまもなく朝食が運ばれてきた。
三人の前に食膳が整ったところで治長が質問した。
「上様、御袋様はいかがされたのでしょうか?」
「今からいうことは他言無用だが、母上は父上の冥福を祈るべく出家される。支度の為姿を見せられぬとのことだ。」
!!
且元と治長の表情が凍りついた。
一分ほど、あたりが静寂に包まれていただろうか。
「本当に・・・ござりまするか?」
ようやく治長が口を開いた。
「そうだ。豊臣の当主として、このような事を冗談では申さぬ。修理、東市正、さあ、飯に致そう。」
且元と治長は顔を見合わせるが、秀頼が食事を始めたのを見て彼らもとりあえず箸をとった。
「今日の蒲鉾は一段と旨いのう。」
秀頼は晴れやかな顔で食べているが、治長、且元の両名はどこかぎこちない動きで食べていた。
やがて三人が食べ終わると、治長が恐る恐る切り出した。
「上様、御袋様が出家されると申されましたが、なぜ今このような時なのでしょうか。」
確かに秀吉の死の直後でも大事件が起きた直後でも無い今の時期に、いきなり落飾するというのは治長も且元も訝しんだ。
特に、淀の方の乳母の大蔵卿局を母に持ち、淀の方の乳兄弟で幼いころから仲の良かった治長にしてみれば、非常に気になる話だろう。
聞かれた秀頼は平然と答えた。
「それを申すつもりはない。他言無用と言ったであろう。」
「失礼いたしました。」
治長が平伏して謝した。
「よし。ところで今日の政務はどうなっている?」
且元が何枚かの書類を差し出して説明を始めたり、裁可を求めたりした。
内容は領内の民政の事で、やや急ぐ内容の物はあったが、特段変わった内容の物は無かった。

しばらくして、一通りの政務が終わると秀頼は「内蔵助を呼んで参れ」と言った。
小姓が1人、内蔵助――渡辺糺を呼びに行った。

「上様、如何なされましたか。」
「お主の槍術の腕を、私に伝授して欲しい。これまでは母上の方針で公家風の素養ばかり磨いていたが、私も武士なれば、武芸の一つも出来ないでは将兵の気持ちを理解出来ぬであろうと思う。それに、今の私はこんな身体だからな。」
秀頼は片袖を引いて腕を出し、肉を指でつかむ。
「若いうちからこのように太っておっては戦場で困るであろうゆえ、そちに鍛えてもらいたいのだ。」
「そういうことでございましたか。それでは喜んでお受けいたします。」

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