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予期せぬ再会
官能リレー小説 - 時代物

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予期せぬ再会 6

「大の男が何をびびってるんだい?ここはあたしら女だけの村さ。
お絹を助けてくれて礼を言うよ」
大柄だが、豊満な肢体を持つあやという女は野性味のある美貌に笑みを浮かべ、彼らに対している。その後ろには、門衛らしい小袖姿の帯刀娘たちが控えている。
そのうち二人が、駕籠から出てきたお絹を引き取った。
彼女たちが男達に向ける視線は、警戒よりも興味が先に立っているようだ。
「で、どうして駕籠まで仕立ててここに来たんだい?」
あやの質問に、栄吉が答えた。
「この村を噂に聞いてな……道筋が異様にややこしいし、眉唾だと思ってたが、なんとなく本当の話のような気がしてな、どうしても確かめたかった」
「なるほどねぇ。とりあえずお絹を助けてもらった恩もある。付いてきてくれ」
あやの後ろに、朝次郎達が続いて歩く。
あちこちに家があり、畑が広がり、単なる農村といった風情だ。ただし、そこここにいる者は全員が女だ。若い娘も多い。
朝次郎と栄吉が想像していた卑猥なものとはかなりかけ離れていたが、女しか居ないのだけは事実のようだ。
しばらく歩いていくと、大きな屋敷が見えてきた。屋敷といっても異国の塔のような形をしており、まだかなり距離があるというのに確認することが出来た。
「立派なものだな」
朝次郎がつぶやくと、栄吉もうなずいた。
「ああ、それにしても…女ばかりというのは嘘じゃなかったな…」
栄吉が言った。
「村というよりかは砦みたいに見えるぜ」
「あれだけ大きな塔だと、見張り台も兼ねてるんじゃないか?」
駕籠かき達の会話を聞いて、朝次郎は少し嫌な予感を覚えた。
やがて、その建物にたどり着いた。
「さあ、入ってくれ」
あやに連れられて、朝次郎達は中に入る。
「ようこそ女村へ」
中には、抽象化された蛇のような覆面をした人物が待っていた。森で遭遇した蛇に似ていてとても気味が悪いが口には出さない。
「村長の藤乃です。お絹さんを助けてくださったそうですな。感謝しますぞ」
「こちらこそ、泊めてくれるとはありがたい。よろしく頼む」
朝次郎が頭を下げ、三人も慌てて同じようにした。
「いえいえ、お絹さんの恩人なら我らにとっても客人でございます。どうぞごゆるりと…」
藤乃と名乗った女は、穏やかに微笑んでいるように感じられる。
「ではまずは湯にでも入って旅の疲れを癒やしてください」
「それは助かる」
侍女らしい若い女性が現れた。
薄桃色の小袖姿が似合う、春のような可愛さを持った娘だ。
彼女の案内で、朝次郎達は風呂に案内された。
「檜風呂かよ。こりゃすげえ」
「こんな豪勢な風呂は生まれて初めてだぁ」
駕籠かき達が驚き騒ぐ。
朝次郎と栄吉も、騒がないだけで豪勢な風呂に驚きを抱いていた。
「お召し物はこちらに」
それぞれ籠に、脱いだ服を入れていく。
裸になった彼らは、檜風呂に入る。
すると、案内してくれた娘と、さっき助けたお絹、他にも若い娘が二人、合計四人の娘が一緒に入ってきた。
「洗って差し上げますね」

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