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予期せぬ再会
官能リレー小説 - 時代物

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予期せぬ再会 5

別の黒い大蛇が迫っているからと、五人はさっさとこの場を離れることにした。
栄吉が案内として先頭に、駕籠かきは女を乗せた駕籠をかつぎ、後衛として朝次郎が付く。
さすがに駕籠かきは頑健だった。
上り坂でも、なかなかの速さで進んでいる。
栄吉の指図通りに山道を行くこと一刻足らず。
尾根を一つ越えてほどなく、あたりが開けた。
「ほぉ、これが……」
「例の女村だな。この地図の通りの場所にあった」
「しっかり用心してるんだな」
盆地のような地形で、比較的平らな場所には、築堤を盛ってその上に塀を築いて、その内側に畑や家があるという、ちょっとした守りを固めた作りの村があった。
門らしき所も三か所ほどある。
「あの……私は?あの大蛇は?」
駕籠を開け、女が聞いてくる。
「俺が切り捨てた。ここがあんたの村か?」
喜びに顔をほころばせ、娘は答えた。
「助けてくださったのですね。ありがとうございます。ここです。ここが私の村です」
「俺達はこの村に来たかったんだ。入れるか?」
「は、はい!そこの門へ行ってください」
娘が、一番近くの門を指さす。
朝次郎達は、門前まで下りて行った。
「誰だあんたたちは?どうしてお絹を駕籠に乗せてる?」
門の上は、小さいながら櫓仕立てで、小袖姿で帯刀した背の高い女が彼らを見下ろしている。
大きな胸を張り、油断なく朝次郎達を見ている。
「俺は梅宮朝次郎、こいつは田村栄吉という者だ。この娘が大蛇に襲われてたので助けた。こっちの駕籠かき二人は、俺達がここに来るために雇ったんだが、お絹といったな、この娘がさっきまで気を失ってたので乗せてやったんだ」
「本当だろうね?」
「あや、本当よ!山菜採りに行ったら、見たことも無い大蛇が現れたのよ!」
あやはお絹の様子に、顔色を変えた。
「何だって!わかった、入りな」
いつの間にか、帯刀した娘が他に二人、あやの横に上がってきていた。
入るようにあやが言うと、そのうち一人が下りて行った。
すぐに門が開かれ、朝次郎達は村に入った。
「珍しいねえ。この女村に男が四人も来るなんて」
「まさか、本当に女村なんで?」
駕籠かきの一人が、おっかなぴっくり質問した。

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