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予期せぬ再会
官能リレー小説 - 時代物

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予期せぬ再会 4

駕籠かき二人は朝次郎の背後に転がる巨大な死骸を見て、腰が抜けたようにその場に座り込んでしまった。
「こ、これはいったい…?」
「まさか…あなた方がこれを?」
「ああ、そうだ」
「こんな大きな蛇を?」
二人の駕籠かきも先程の栄吉と同じように信じられないという顔をしている。
「それはそうと、駕篭の中にこの蛇に襲われていた女を寝かせている。恐怖で気絶しただけのようだけど、まずは村に連れて行った方がいいだろう」
朝次郎が二人に提案すると、二人ともハッとした顔になる。
「そ、そりゃあ確かに。でもこんな所に村なんてあるのか?」
駕籠かき二人は栄吉に何の説明も受けていないままここまで来ていたのだ。女村の秘密が漏れれば厄介だと栄吉は考え、適当に嘘をついて駕籠かきに金を払ったのだ。
「ああ、あるさ。女ばかりが住む村がな。そんな村があるなんて広まったら良からぬ輩が押しかけてくるだろ?だから秘密にしてたんだがな。だが、大蛇が彷徨くような森に刀すら持たないお前達を放置するわけにはいかないからな…」
栄吉は複雑な表情をしていた。
これから女村でやろうとしていた事を考えれば彼等に女村の存在を知られるわけにはいかなかったのだが、今となっては駕籠かき達に真実を話すしか無かった。
「わ、わかったよ。俺らは村の事なんて何も言わねえさ」
もう一人の駕籠かきも震えながら約束した。
朝次郎が疑問を口にする。
「こんな化け物が二匹も出るような危険な場所に女しか居ない村があるってのはおかしな話ではないか?女だけで村を守れるとは思えないんだが…」
栄吉も不信感を持ちつつあったようで、朝次郎の言葉に同意するように答えた。
「確かにな。もしかしたら俺はとんでもない勘違いをしているのかもしれない…」
「とりあえずその女しか居ない村とやらについて詳しく教えてくれよ」
駕籠かき達が食い気味に尋ねてきた。
「わかった。事情も知らせずにこんな危ない所まで連れてきて悪かったな。詳しい話を聞かせてやる」
栄吉は地図を取り出して、朝次郎にした話と同じ話をした。
「その村に男が迷い込むというけどよぉ…村にたどり着く前に大蛇に喰われちまうんじゃねーか?」
「男ばかりが神隠しに遭うってのも、皆食べられちまったんじゃ…」
駕籠かき達が不安そうに言う。その意見はもっともだった。
「その可能性は否定できないが、村がある場所はすぐそばだ。村が本当にあるかどうかだけは確かめるべきだと思う」
朝次郎が言うと、栄吉と駕籠かき達もうなずいた。
「女ばかりの村じゃなくともそこで朝まで泊めてもらえばいいしな」
「ああ、身を守る短刀位は調達したいぜ」
駕籠かき達は女で楽しむ事を一切期待していないようだ。自分の事で精一杯なのだ。

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