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石像の秘めた謎
官能リレー小説 - 時代物

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石像の秘めた謎 4

「己の中にある雄々しさをこの像に刻み込んで貰いたいんだよ」
「なに…?」
俺は眉をひそめた。
「どういう意味だ?」
「そのままの意味だよ。あんたの中に眠っている本当の自分をこの石像に投影して欲しいんだ」
「俺の…中にある…もの…」
「そうだ。それがこの像の真髄になる筈だ」
「そんなことを言われても困るな…。抽象的すぎて何が何だかさっぱり分からない」
正直な感想を述べた。
男は苦笑しながら言った。
「そうだろうな…、とにかく頼んだぞ」
俺は釈然としないまま、石像を正面から眺めた。
そして目を閉じ、自分の中にあるものを探ろうとした。だが何も浮かんでは来ない。
その時であった。
ふと、脳裏に奇妙な光景が映し出された。
どこか見知らぬ場所にいる自分の姿が見えた。
そこは薄暗い部屋で、中央に巨大な柱が立っている。俺は裸で、その柱にしがみついているようだ。
この光景は何なのか?そう考えた瞬間、俺の中で何かが弾けた。
次の刹那、身体の奥底から激しい衝動が湧き上がってきた。それに合わせて目の前の柱がぐにゃりと歪み、屹立する巨根へと姿を変えていった。
同時に、全身が熱を帯びてくるのを感じた。
「うおおおっ! 俺の中の獣を解き放てっ!」
無意識のうちに叫び、気が付くと俺はいつの間にかノミを手にしていた。
俺は目の前の彫像に向かって無我夢中でノミを振るっていた。
最初は上手くいかないかと思われた作業だったが、いざ彫り始めると不思議なくらい手が進むのである。
まるで何かに取り憑かれたような気分だった。
しかし、不思議と恐怖はなかった。
ただひたすら、この像を完成させることだけしか頭になかった。
(そうだっ! いいぞ…それでこそ男だっ!)
心の中に響く声に耳を傾けながらノミを動かす手は止めない。そしてついに――、
「出来たぞっ!」
俺は大声を出した。同時に男も雄叫びを上げた。
「よくやったっ!」
見ると、男はいつの間にか褌すら脱ぎ去っていた。
巨大なモノがぶら下がっている。その大きさたるや、まさに雄の証と呼ぶに相応しいものがあった。
無意識のうちに俺も褌を外していた。

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