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牙の勾玉
官能リレー小説 - 時代物

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牙の勾玉 7

「とにかく俺達はお前に完敗した。気絶したところを縛られる大失態を犯しただけでなく、自らが隠密である事を漏らしてしまった」
「非力な少年だと思って楽しもうと思わなければこんな事にはならなかったのに…」
「本当だぜ、油断したばっかりに…」
男達は悔しそうに言うが表情はどこか晴れやかだった。
「まあいいじゃないか。どうせ俺達は死ぬ運命にあるのさ」
「そうだな、鬼神に勝てる筈なんて無かったのだ。俺達にこの任務が来た時点で死が確定していた」
「ただ死ぬのではなく気絶するまで
搾り取られるというおまけつきだけどな…」
男達の口調は軽かった。自分達の死を受け入れ、悔いはないといった様子だ。
「そんなにあっさり諦めちゃって良いのか?」
「ああ、これでやっとあの地獄のような日々とおさらばできる。俺達は隠密衆の中でも下っ端で、いつ死んでもおかしくない。それが今日だっただけだ」
「鬼神の封印はどうするんだよ!」
市太郎の言葉を聞いた男達の顔が曇る。やはり鬼神の復活を恐れているようだ。
「心残りではあるが…仕方あるまい…」
「でも、お兄さん達が死んだら隠密衆とやらが困ることになるんじゃ…」
「心配はいらん。もう既に次の者が隠密衆に選ばれている」
「そうなのか…」
市太郎は男達を哀れむような視線を向けた。
「お前に完敗しただけでなく隠密衆の掟を破った俺達に出来る事は何も無いのだ」
「出来ることならまだあると思う。だから、もう少し生きてみないか?」
市太郎は真剣な眼差しで男達を見つめた。
「生きろだと…?」
「その…せっかく知り合いになれたんだし…俺が鬼神かどうかは置いといて、俺のせいでお兄さん達が死ぬことになるなんて後味が悪いよ」
「俺達はお前をさらって封印しようとした張本人なのだぞ…その前に代わる代わる強姦もしたがな」
その言葉に市太郎の目の色が赤く変わる。鬼神としての力が覚醒し始めたのだ。
それを見た男達の間に緊張が走る。「こんなにも早く鬼神が目覚つつあるのか!完全に覚醒する前に早く本部に知らせないと…!」
三人は慌てて逃げ出そうとした、だが柱に縛り付けられている為に身動きが取れない。

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