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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 42

クスクスと笑いながら頬に手を当てる。
すると手のひらに何やらぬるりとした感触が広がった。
「あ・・・しもうた。晴士に夢中で返り血を洗い落とすのを忘れておったわ」
あたりを見回せば、そこには死体、死体、死体。
いたるところに血の海に沈んだ死体の山がが築かれている。
獣、あやかし、人。原型がわからないものもあるが、その種類は多岐にわたる。
みな葛葉の容姿、あるいは妖気に惹かれて集まってきた連中だ。
集まった連中がどうして死んでいるか、その理由は語るまでもあるまい。
「ふふ、くだらぬ連中の相手で少々気が萎えていたが、なかなかいい見世物を見つけた。
 ほんに今度の贄は妾を楽しませてくれる。
 さあ、楽しませておくれ。その肉を妾に捧げるその時まで―――」
血臭漂う地獄のような場所で葛葉は微笑む。
傲慢と慈愛、本来ならば同居することのない感情の込めた笑みを浮かべて。



「ウォオウゥゥゥ・・・ッ!ゥオオォアアアァァァッ!!」
晴士は吼えた。悲しみと怒りの咆哮だった。
目に映るは男か女か、どちらなのか判別のつかない淫妖。
彼女(あるいは彼)は陰陽師5人とあやかし6体を食ってご満悦のようだ。
その証拠に股間の一物はより大きくより長く。そしてより硬くへそまで反り返っている。
視線を上げれば絹のようになめらかで、白磁のように白い肌に磨きがかかり、胸は本人の頭以上に大きく膨らんでいる。
よほど栄養豊富だったのか。股間と胸の先端からは母乳と先走りの汁を滴らせているおまけつきだ。
妖艶なる美貌を手にした淫妖を前に、晴士は頭がどうにかなってしまいそうだった。
苦労して捕まえた獲物だったのに。自分のメスだったのに。
それを後からやってきた目の前のあやかしに、まんまと全部持って行かれたのだ。
ほとばしる感情が力となって晴士を人間から黒い妖狐の姿に変えようとする。
だが。大葛葉に施された呪縛がそれを許さない。
狐に変化しようとするたびに呪縛が働いて人間へと戻される。
何度も何度も肉体変化を繰り返すので骨が軋み、筋肉が悲鳴を上げる。
しかし晴士はそんな痛みなどどうでもよかった。
ただ力だけがほしかったのだ。目の前の憎い憎い存在に、ありったけの感情をぶつけるだけの力が。
そんな哀れな晴士に対し、淫妖は妖しく微笑んだ。
それは彼をあざ笑っているのか、それともさっき食べたものよりおいしそうなものの出現への歓喜か。
淫妖は微笑みながら、ゆっくり晴士に手をかざす。
するとその手から血を思わせるような赤い粉のようなものが吹き出し、晴士に襲い掛かった。
否。それは粉ではない。霧だ。力を増した淫妖の力を視認できるほどに凝縮した媚薬入りの突風だった。
おそらくそれを浴びればたちどころに射精してしまうのだろう。
浴びたものの命が尽きるまで延々と。大量に。
だと言うのに、晴士は1歩も動かない。
肉体変化が安定せず、動けなかったのかもしれない。
そして晴士は淫妖の媚薬入りの風をまともに食らう。
勝利を確信したのか、淫妖の口角がさらに吊り上がる。
しかしその笑みは次の瞬間、赤い風と同じように消え失せる。
「ウウウゥゥゥッ・・・!ギイイィィィッ・・・!!」
そこには先ほどまでと全く変わらぬ晴士が立っていた。
淫妖の脳裏に『攻撃失敗?』『回避?』『無効化?』などの単語が疑問形で浮き上がる。
確認したくても彼の股間は食らう前からすでに勃起しており、褌(ふんどし)も巻かれているせいで効果が出ているのかわからない。
効いているのか、効いていないのか。
淫妖がそう考えるより先に晴士は動いていた。
キツネとヒトの間を行ったり来たりする不安定な肉体の足で地面を蹴り、一瞬で淫妖との距離を詰める。
はたから見れば瞬間移動、いや転移したように見えたはずだ。
そして握りしめた拳に渾身の力を込め、殴りつける。
だが忘れてはならない。今、晴士の身体はとても不安定で、しかも葛葉に呪縛された状態であることを。
たたきつけた彼の拳は、淫妖に当たる前に半透明の壁に防がれた。
しかもかなりの強度なのか、殴った晴士の拳が傷ついてしまう。
なのに晴士は再び淫妖に殴り掛かった。今度は1発ではなく連発で。
もっともその攻撃をもってしても、淫妖どころかその前の壁すら砕けられないありさまだったが。

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