PiPi's World 投稿小説

爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

爆乳☆陰陽伝 1

時は平安、日が沈むと都の中ですら鬼や妖(あやかし)が我が物顔で闊歩していた時代…。
これは一人の少年陰陽師と美しくも淫らな式神達の物語である…。


ここに一人の陰陽師見習いの少年がいた。
彼の名は安倍晴士(あべのせいし)、数えで十五(満十四歳)になる。
小柄で少女のような優しい顔立ちの少年だが、実は彼はあの大陰陽師・安倍晴明の曾孫に当たる。
ところがこの晴士、陰陽師に必要な霊感や霊力といった物が全くと言って良いほど無く、元服を前にして安倍一族の中でも落ちこぼれ扱いされていた。

(ああ・・・来週には陰陽寮の学士試験だ・・・どう考えても僕が合格するはず無いよな・・・)
この時代、霊能力は陰陽寮と神祇官という二つの役所で管理されており、その中でも晴士の属する安倍一族は、中興の祖である大陰陽師・安倍晴明より後、賀茂氏と並んで代々陰陽頭を務める名門中の名門とされている。
その為、晴明の曾孫に当たる晴士も将来陰陽頭に成る事を目指し、陰陽師の登竜門である陰陽寮の学士試験に合格する事が求められていた。

だが、陰陽師に必要な霊感・霊力といった物が全くと言って良いほど無い晴士がこの試験に合格出来るハズが無い。
お陰で晴士は陰陽寮の学士試験の日にちが近づくにつれ、まるで一歩一歩死刑台に上って行くような気分を味わっていた。

「曾おじい様・・・僕は何故安倍一族に生まれたのでしょうか?」
晴士は曽祖父にあたる安倍晴明を祀る晴明神社の境内に入ると、そう言って思わず涙を流してしまう。
幼い頃から陰陽師に成る為に育てられてきた晴士には、陰陽師以外の生き方など想像も出来ない。
だが、彼には陰陽師に必要な霊感・霊力といった物が全くと言って良いほど無い、これは資質や才能の領域の話であり、晴士が幾ら努力しようとも超えられない絶対的な断絶だった。
「グス・・・失礼しました曾おじい様。詮無き事を申しました・・・例え不合格と成ろうとも曾おじい様の名に傷を付けぬよう精一杯努力いたしますので、どうぞ見守っていて下さい・・・」
晴士は涙を拭くと精一杯の笑みを浮かべて神社の境内を後にしようとする。
すると・・・
『ほぉ〜あの晴明の曾孫にしては中々健気な小僧ではないか、フフフ・・・気に入ったぞ』
「え?」
まるで耳ではなく心に直接響いてくるような不思議な声に、晴士は思わず立ち止まり振り替える。
其処には純白の小袿(こうちぎ)を纏った一人の美女が立っていた。
「……」
その余りの美しさに晴士は思わず見とれて言葉を失ってしまう。
年の頃は二十歳前後…。
切れ長の瞳に薄く引いた眉、スッと鼻筋の通った整った顔立ち、きめ細かな白い肌の中に真っ赤な紅を差した唇が色っぽい。
色っぽいと言えば彼女の胸元に目を落としていくと…そこには小袿の上からでも判る巨大な膨らみが誇らしげに二つ並んでいた。
妙な表現かも知れないが、まるで胸元に西瓜(スイカ)を二つ隠し持っているかのような大きさである。
彼女は一体いつからそこに居たのだろうか、まるで気配を感じさせなかった。
あたかも不意に出現したかのように…。
それはどこか神秘的な雰囲気を纏った女だった。
「ど…どうも、こ…こんにちは…」
晴士は何とか口を開くも、ややどもり気味にそれだけ言うのが精一杯だった。
女には慣れていないのだ。
突然の美女の出現に緊張している。
そんな晴士に美女はクスクスと微笑みながら言った。
「フフフ…晴士よ、そう緊張せずとも良い。まあ、その初々しさがまた“そそる”のじゃがのう…」
「え?どうして僕の名前を?貴女は一体…?」
「そう言えばまだ名乗っておらなんだのう、妾(わらわ)の名は葛葉(くずのは)じゃ。晴士よ、ずっとそなたに会いたいと思っておったのじゃぞ」
「くずのは?…う〜ん、どっかで聞いた覚えがあるような…無いような…」
聞き覚えのある名前に晴士は首を傾げて考える。
直後、彼は思い出した。
「…そうだ!葛葉姫だ。曾お祖父様の母親とされている狐の化身…」

安倍晴明の母親は狐だと言われている。
昔、晴明の父・安倍保名(あべのやすな)は狩人に追われていた白狐を救った。
保名に恩を感じた白狐は美女となって保名の前に現れ、葛葉と名乗る…
(中略)
…二人は夫婦となり晴明を授かったが、ある時、葛葉は油断して我が子(晴明)に狐の姿を見られてしまう。
正体がバレたからにはもう人として生きてはいけないという事で、葛葉は晴明を保名に託し、狐に戻って森へ帰って行った。

「…っていう話ですよね?」
「そうじゃ…」
…と言うが早いか、葛葉の身に変化が起こった。
晴士は目を疑った。

SNSでこの小説を紹介

時代物の他のリレー小説

こちらから小説を探す