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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 41

石のあやかしである灰色美人と羽毛の箱の中で気絶していた鳥のあやかしもあっさりと持って行かれる。
さらには半ばミイラ化して年寄りのようになっていた陰陽師5人まで持っていく。
晴士はあわてて獲物を取り返そうと狐火を放つも、触手のぬるぬるした粘液に阻まれて動きを止めるには至らない。
結局苦労して確保した獲物と自分の式神を全部持って行かれることとなる。
こうなると晴士はもううかつな手出しができない。人質にされた連中が危険だからだ。
オスの陰陽師たちは正直どうでもいいが、メスのあやかしたちはそうはいかない。
晴士は目が合っただけで殺せそうな視線を向け、相手の様子をうかがっていると。
最後のあやかしは、いきなり想像しうる中で最悪の行動をとり始めた。
彼女(彼?)は本体の真上にコンも持ってくるなり、触手を離して自分のほうに落とした。
そして次の瞬間。あやかしは肉体構造の原理を無視するかのように大きく口を開き、コンを丸呑みしてしまったのである。
「・・・・・・っ!?」
あまりの出来事に固まる晴士。しかしそのスキにあやかしはさらにカイ、灰色美人と次々と飲み込んでいく。
このままで全員食われる。そう思った晴士はなりふり構わず獲物を取り返しに行く。
だがその程度のこと、相手だってお見通しだ。
無数の触手を総動員して晴士の救出を阻止する。
「・・・っ、ガアアアァァアァッ!!??」
焦りと苛立ちから、晴士が吼える。
狐火は効果がないので、半獣化した鋭い爪と身体能力で触手を切り裂いているのだが、多勢に無勢。
1分1秒が惜しいのに、時間は刻々と過ぎていく。
そしてあっという間に食事を終えたあやかしは、晴士に絶望を見せつけるように触手を退かせた。
メスどころかオスの1人すら助けられなかった彼をあざ笑うように。
夜の都に、晴士の悲痛な叫びがこだました。




「―――ほう?妾が愛情込めて仕込んだ鎖をもう食い千切ろうとするか。
 相変わらず人間とはおもしろい生き物よのう」
同時刻。晴士のいた場所から遠く離れた場所。
そこで1人水浴びをしていた葛葉が、誰に言うでもなくそうつぶやいた。
別に覗き見していたわけではない。自らの仕掛けた術の異変を感じ取っただけだ。
もっとも山1つ2つ軽く越えた距離でそれを感じ取れる術者など、そうそういないだろうが。
葛葉はおもむろに水面に手をかざすと、水面が波立ち、ある映像を映し出す。
それは大事なメスを食われて怒り狂う晴士と、あやかしと陰陽師を食らってさらに醜悪さ、妖艶さを増していく淫妖の姿があった。
「ほうほう。今度の相手は2つの性を持つ淫妖か。あの外見からして、それなりの実力を持っておるようじゃのう。
 晴士をあれほど怒らせるとは、いったい何をしたのやら」
自分の分身を食われたとは知らない葛葉は、これからが楽しみで仕方ないといった様子で見入っている。
晴士にかけた呪縛の異変に気づいていながら、分身の異変には気付かない。
帝すら恐れさせる大妖狐に、そんなことがあり得るのだろうか?
それは晴士にとって喜ぶべき小さな希望だったのだが・・・怒り狂った今の彼は気づかない。
ただ目の前の男だか女だかわからない不快な生き物に、この荒ぶる感情をぶつけてやりたい。
それだけだった。
かけられた術をどうこうしようなんて意思はない。
ありったけの思いをぶつけたようとしたら、葛葉の呪縛が邪魔されてうっとうしいだけの話だ。
さすがに術を解除することはできないようだが、それでも葛葉はうれしかった。
祖として、自らの血に連なる者の成長を喜ばないものがいったいどこにいるだろう。
「ふむ・・・怒りで力が増したはいいが、操るに難儀しておるか。
 いかに的(淫妖)に当てるかが勝負の分かれ目じゃのう」

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