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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 36


「ブッ!?ゴッ!?アギィッ!?」
「あ、あが・・・!あがが・・・!」

あやかしの周囲に浮かぶ小石が2人の陰陽師をタコ殴りにしていた。
しかもアゴを砕いたり股間に石をたたきつけたりと、なかなかえげつない。
それだけ石のあやかしを追い詰めたということなのか、単に彼女の怒りに触れた結果なのか。
判断しかねるところだが、そのあまりのむごさに、さすがの晴士(暴走状態)も同情せずにはいられなかった。
そう言えばあの餓鬼霊(がきだま)の群れはどうなったのか?鬼女はどこに行ったのか?
気になってあたりを捜索すると・・・いた。連中は晴士が吹っ飛ばした陰陽師のところに群がっている。
しかしこれはどういうことなのか?
晴士が探していたのは鬼女1体と餓鬼霊(がきだま)の群れだったはず。
それがなぜ鬼女の群れと入れ替わっているのだ?
晴士の疑問をよそに、小さな鬼女の群れが思い思いに陰陽師の身体をむさぼっている。
大きさはだいたい赤ん坊くらい。例外として子供くらいの鬼女が2人、頭と股間にしがみついている。
夢中で唇に吸いついている個体には見覚えがある。
先ほどオスに襲い掛かっていた鬼女だ。どうやら精気を吸うことで元の姿を取り戻しつつあるらしい。
つまりあやかしは全部メス。しかも連中を召喚した陰陽師たちは壊滅しつつあるという、うれしいおまけつきだ。
後は晴士があやかしたちを片っ端から押し倒し、おいしくいただくだけ。
それを理解した晴士は歓喜の雄たけびをあげて適当なあやかしに襲い掛かった。
狙いは満身創痍の石のあやかし。
あの硬い岩の殻を破り、思う存分に犯してやる。
そんなよこしまな考えを察知したのか、相手もすぐに迎撃態勢を取る。
男と女の意地と貞操を賭けた戦い、その第2戦が始まろうとしていた。

ドガッ!ガッガッ!

握りこぶしほどの大きさの石が次々と晴士目がけて降り注ぐ。
普段の彼ならば、とてもよけられない速度で飛んでくる。
当たれば骨の1本や2本、簡単に折れるだろう。
だが今の彼は違う。人間と黒狐の性を同時に存在させる半妖狐とも言うべき状態ならば、何とかかわすことができる。
石が鼻っ柱をかすめ、血がにじむ。
相手の生死をいとわない攻撃の嵐に、晴士の身体は擦り傷だらけだ。
じくじくと伝わるその痛みに、心の弱い部分が『逃げよう』『逃げたい』と悲鳴を上げる。
だけど晴士は前進を止めない。
目の前に美女がいるのだ。自分の遺伝子を残したいと思わせるメスがいるのだ。
ここで引いたらもう2度と会えないかもしれない。いいや間違いなく会えない。
このチャンスを不意にしたら、絶対に後悔する。
一生後悔し続ける。そんなのは嫌だ。だから進む。
死ぬかもしれない思いをして。全身傷だらけで痛みに悩まされながらも。
・・・などとかっこいいことを考えてはみたものの。
やはり痛いものは痛い。命あるものとして、これを無視し続けるのはちょっとキツい。
ならばどうする?そんなことは決まっている。
晴士は自らの霊力を消費し、札も使わず周囲にいくつもの狐火を作り出す。
彼自身気づいていないが、札を使っているのはイメージの問題にすぎない。
大妖狐の血を引く彼ならば、札という触媒を使わなくてもこれくらいのことはできるのだ。
ただ身体に染みついた人間としての常識が自身の才能を縛り、うまく扱えなかっただけのこと。
今の彼は性欲を糧に動く獣(けだもの)。ゆえに普段扱えなかった才能が、いかんなく発揮されていた。
迫りくる無数のつぶてをかわしながら、すべての準備を終えた晴士はついに反撃に転じた。
生み出されたいくつもの狐火は、主の命令に従って次々と石をたたき落としていく。
さすがに石を一瞬で溶かす、なんて事態には至らないが、殺傷力を奪うには十分すぎた。
まさか炎で質量のある石を落とされると思っていなかったのか、あやかしの攻撃が一瞬緩む。
そのスキを晴士は逃さなかった。一気に間合いを詰め、あやかしを石の殻から引きずり出さんと最後の攻撃に打って出る。
自らの拳に狐火を乗せ、そのまま石のあやかし本体にたたきつけたのだ。
未熟な術者によるその一撃は術者本人の拳を焼き、さらにはたたきつけた衝撃で拳から激痛とともに血が流れ出る。
・・・失敗か?そう思われたその時。

ビシッ!ビシビシビシッ・・・!

あやかし本体を覆う石の殻に無数のヒビが走る。
そして狂った陰陽師2人がかりでも引きずり出せなかった美女が、ついに中から姿を現したのだった。

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