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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 32

通りのわきの小道から、黒い着物をまとった男が姿を現す。
顔は薄布で隠してあるため見えないが、その手には短い透明な棒のようなものが握られている。
「やっぱりあのニオイは目立ちすぎるって」
「し、仕方ないだろ!?コイツはそうしなきゃ使えない技なんだから!」
「ま、あれだけ吸えば上出来なほうだろ」
どうやら相手は1人ではなかったらしい。
奥からぞろぞろと仲間が姿を現した。みな同じ黒い着物をまとって薄布で顔を隠し。
手には透明の棒を握りしめている。
「そうだな。見たところ、十分効果が出るくらいに吸ってくれたようだしな。くくく・・・」
不気味に笑うリーダー格らしき男。
その言葉に3人はぐうの音も出なかった。
なぜなら。晴士たち3人は、あの甘いにおいを吸ってからというもの、劣情を催しており。
晴士の股間は痛いくらいにいきり立ち、コンとカイも服の上からわかるくらいに乳首を勃起させていたり、愛液で股間を濡らしていたりしていた。
目の前の怪しい5人組を警戒しなければいけないのに、うまく集中ができない。
心と身体の連携が取れず、ちぐはぐになってしまったような感覚に晴士たちは動揺を隠せなかった。
そんな3人に、5人組の1人が自慢げに頼んでもいない説明をしてきた。
「くくく・・・あやかし特製の媚薬の味はどうだ?ああん?
 こっちを気にしなくちゃいけないのに、女のことが気になって仕方がないだろう?」
「あや・・・か、し・・・?」
「でもな。おまえに女の相手をさせるヒマは与えねえ。おまえはここで俺達にボコボコにされるんだよ。
 陰陽師として再起不能になるまでなぁ!!」
その言葉から晴士は5人組が陰陽師の関係者であることを理解した。
しかしなぜ陰陽師の関係者が自分を襲うのか、その動機がわからない。
薬のせいではなく、本当にその心当たりがないのだ。
愚直なまでに陰陽師にあこがれ、まい進し続けていたが故に晴士は気づけない。人間の暗い感情に。
「おい、あまりムダ話をするな。足がつくと面倒だぞ」
「ちっ。わかってるって。んじゃ5人全員でやっちまうかぁ?」
「いや、その必要もないだろう。念のためにと準備はしておいたが、しょせん落ちこぼれだ」
「それじゃあ僕がやるよ!コイツらの動きを封じるために仕掛けたのは僕なんだし!」
「えー、おまえがやるのかよー。俺もやりてー」
「我慢しろ。じゃあさっさと終わらせてやれ。コイツも媚薬の効果でいろいろつらかろうからな」
こうして5人組の方針が決定し。晴士はその制裁を受けさせられようとしていた。
しかし彼らは気づかない。自分たちが相手しているのはただの陰陽師ではない。
あの大妖狐、葛葉と大陰陽師安倍晴明の血を引く半妖の陰陽師なのだ。
力を目覚めさせつつあるそんな彼が、こんな姑息な手段であっさり終わるはずがなかった。
(く、くそっ!?こ、このままやられてたまるものかっ!)
晴士はなけなしの力(理性)を振り絞って札を投げつける。
札は途中で燃え上がり、火の玉となって5人組に向かって飛んでいく。
だが身体に回った媚毒のせいか、その火力も速度も小さく、軽く身体をひねるだけであっさりとかわされる。
あまりのふがいなさに、やむを得ずコンたちに助力を求めようとするも。
「こんっ・・・♪ここぉんっ・・・♪」
「や、は、ダメぇ、ご主人様っ・・・。今の、今のカイを見ないでくださぁいっ・・・♪」
2人ともその場に倒れ伏し、自らを慰めるのに夢中になっていた。
完全に敵のことを忘れてるコンに比べ、カイはまだ正気を残しているようだが、手を止められないところからあてにならないのは明白だ。
まさに絶体絶命。このままやられるのを待つしかないのか?
晴士が湧き上がる劣情と無念に歯噛みしていると。
5人組の1人が、とどめを刺さんと水晶の棒に取り出した。
「ふ、ふんっ。落ちこぼれのくせに驚かせやがって・・・。毒の量が足りなかったのか?
 それならそれでいい。落ちこぼれには落ちこぼれにふさわしい、みじめな姿にしてやるよっ!」
その言葉とともに、水晶の棒から白い煙が立ち上る。
やがて白い煙は1か所に集まり、何かの形に作っていく。
できあがったものは花。茎も葉も根もない、1輪の巨大な花が浮かんでいた。
「やれっ、『風花(かざはな)』!おまえの自慢の毒花粉、アイツらにたっぷりごちそうしてやれっ!!」
「っ!?」
晴士はその言葉でようやく目の前の巨大花があの毒の持ち主と理解したが、時すでに遅し。
先ほど嗅いだものよりはるかに濃厚な甘いニオイを引き連れ、大量の花粉が晴士たちに向かって噴射された。

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