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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 31

ひとしきり子孫と戯れた葛葉は事の収集に当たるべく、茫然とする4人に声をかける。
「・・・さて。これからのことじゃが・・・帝、お主との謁見は滞りなく成功。
 消した陰陽師についてはこの催しに出席せず、そのまま行方知れず・・・ということで問題ないか?」
「は?ははは、はいっ!それでかまいませぬっ!」
葛葉の呼びかけに我を取り戻した帝が、背筋をピンと伸ばして返事をする。
きっと彼の中であやかしに対する面識が大幅修正されていることだろう。
彼の立場を考えれば、それもそれでいいことなのかもしれない。
帝の返事を聞いた葛葉は、残りの3人にも注意・・・否、警告を忘れない。
「お主らもよけいなことを言うでないぞ?晴士にはよけいな心労をかけたくないのでな」
「・・・え?でも、ご主人様は起きてるコンよ?」
(((ば、バカっ!?)))
葛葉の言葉にコンは思わずツッコミを入れてしまう。
もしそれで機嫌を損ねたらどうなることか。3人の顔からダラダラと嫌な汗が流れ始める。
「こやつは今まで人間として育てられてきたからの。
 このように狐の姿になると心も獣のそれに変化してしまうのよ。
 人間ではない事実から心を守るための防衛本能なんじゃろうなぁ・・・」
悲しそうとももったいなさそうとも言える顔を浮かべて説明する葛葉。
どうやら彼女の逆鱗に触れることはなかったらしい。
3人が安堵する中、葛葉は言葉を続ける。
「では妾は行く。今回は特別に姿を見せたが、くれぐれも晴士によけいなことは言うなよ」
「「「「は、はいっ!」」」」
「晴士をよろしく頼むぞ。ではの」
その一言を残し、葛葉は消えた。
自分たちにはどうすることもできない、災害のような存在がいなくなったことに、4人はただただ安堵するばかりであった。



「う〜ん・・・なぜだろう。保利さんの技を食らってからの記憶がない・・・」
「あはっ、あははっ!だ・・・だってご主人様、あの女の術を食らって気絶してたコンからっ!」
「そそそ、そうですそうです!ホントひどいことする人間ですねっ!」
夜。帝との謁見を終えた晴士たちは帰宅の途についていた。
晴士は謁見途中の記憶がないことに疑問を抱き・・・式神たちは保利、帝に前もって教えられた言い訳をしてごまかしている。
あの後、黒狐となった晴士は遊び疲れて眠ると、あっさりと人間に戻ることができた。
だが葛葉の言うとおり、キツネとなっていた間の記憶はきれいさっぱり抜け落ちていた。
事前に保利と帝がいろいろ気を回しておかなければ、軽いパニックが起きていただろう。
何しろあの4人以外、右大臣の道草や衛兵などの一般人も眠らされていたのだから。
ちなみに道草たちには保利の術のあまりのすごさに気絶してしまったと言うことにしてある。
どさくさまぎれにずいぶんと吹聴したものだ。
だが式神であるコンたちにとって、主人以外のことはどうでもよかった。
ただあやかしである彼女たちでさえ、化け物と口にしたくなる葛葉の言いつけを破るまいと必死だった。
「う〜ん・・・。でもいくら術を食らったからって、大したケガもないのに夕方まで気絶してるかぁ?
 右大臣の道草様たちも何か記憶があやふやだったようだし・・・」
「ききき、気にすることないコンっ!」
「ごごご、ご主人様のような『力』のない方ですから、そーゆーこともあるんじゃないでしょうかっ!?」
「そうかなぁ・・・?」
もうすぐ完全に日が暮れようとする中、晴士はしきりに首をひねる。
式神2人はもう必死だ。これ以上うまい言い訳が思いつかず、泣きたくなるくらいに。
このままではバレて葛葉に殺されてしまうのではないか・・・。
コンとカイが命の危険を感じ始めたその時。
どこからともなく甘い香りが風に乗って漂ってきた。
(なんでこんな時間に?それも都の通りでなん・・・、ッ!?)
3人がほぼ同時に同じ疑問を抱いた次の瞬間。
晴士たちは前もって話し合わせたかのように口元を着物の袖(カイのみ素手)で押さえた。
そしてその状態を維持したまま、3人は円陣を組んで何かを探すように周囲をうかがう。
「あ〜あ、やっぱり気づかれちまったか」
「「「!!」」」

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