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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 26

「しゅ、主上!それに近寄ってはなりませぬ!
 そやつらは人間ではございません!下賤なあやかしの仲間なのですぞ!?
 そのようないかがわしい格好と身体で帝を惑わそうなど・・・貴様、いったい何を考えておる!
 さっさとこやつらの姿を帝の前から消してしまえ!」
道草の言葉に、ビキリビキリと晴士のこめかみに血管が浮かぶ。
呼び出されて早々、いきなり無礼な言葉を投げつけられたコンも不愉快そうだ。
カイですら眉をひそめて不機嫌を示している。
その様子に保利は冷や冷やモノだ。何がきっかけで晴士たちが暴走するか、わかったものではない。
かと言って、落ち着かせようにもそれがきっかけにもなりかねないので、どうしようもない。
嫌な空気が立ち込める中、場を治めたのはあのちゃらんぽらんの帝であった。
「よさぬか、道草!この2人は、朕が晴士に頼んで呼んでもらった客ぞ!?
 無礼なことを言って朕に恥をかかせるでないっ!」
「・・・っ!は、ははっ!も、申し訳ございませぬっ・・・!」
いくらお飾りとは言え、帝の言葉は絶対。道草も口を閉ざすよりほかない。
帝は晴士と式神達に向き直って言った。
「いやいや済まなかったの。まあ道草の無礼な言葉の数々も朕を思っての事ゆえ、どうか許しておくれ」
「えー?どーしてアンタが謝るコンか?謝るのはあのオッサンで、アンタじゃないコンよ?」
「ば、バカっ・・・!?」
コンの発言に保利のみならず、晴士までも顔を青くする。
何も知らないカイだけがコクコクとコンと同じ気持ちだと首肯する。
だがこの帝様、どこまでも破天荒な方でいらっしゃるらしい。
呵々といかにもおもしろそうに笑い出した。
「かかっ!かっかっか!帝である朕を『アンタ』呼ばわりか!
 いや、あやかしと話をしたのは初めてじゃが、いやおもしろいものじゃのう!!」
「「???」」
何が何やらわからない式神2人は、顔を真っ青にする主人たちをよそに、ただただ首をひねるばかりであった。

とにかく晴士の式神をひとしきり堪能(観察)した帝は、今度は標的を保利に変える。
「うむ、おもしろかった。次は賀茂保利、お主の式神を見せてくれぬか!」
「え!?わ、わたくしもです・・・か?」
「当然であろ?さあさあ!早く見せておくれ」
「いや・・・あの・・・その・・・」
子供のように好奇心むき出しで待つ帝。
しかし保利のほうは歯切れの悪い返事をするばかりで、一向に式神を出す気配はない。
これでは帝の機嫌を損ねてしまう。そう思った晴士は小声で保利に耳打ちする。
(保利さん!なに出し渋ってるの!早く帝に式神を・・・!)
「だ、だから私は・・・くっ!」
晴士の言葉に何やら恨めし気な、あるいは悔しげな表情を浮かべると。
保利は突如として床に額をこすりつけて謝罪した。
「申し訳ございません!主上のご期待に応えたいのは山々なのですが・・・。
 その、私は式神を持っていないのです!誠に、誠に面目次第もございませんっ!」
「ええっ!?」
その言葉に驚いたのは帝ではなく、隣にいた晴士だった。
何しろ相手は陰陽師として名高い賀茂氏の娘(周囲には男で通しているが)。
しかも未だ若くして天才と謳われる保利である。
そんな保利の事だから式神の1匹や2匹いてもおかしくはない・・・そう思っていたのだ。
もっとも帝も晴士も、陰陽師なら誰でも式神を持っていると思っている時点で間違っているのだが。
式神とは人間に仕えるあやかしの総称である。
主人に好意をもって従う者もいれば、力ずくで無理矢理に従わされている者もいる。
いずれにせよ式神を持つ者に言える事は、他の人間には無い特殊な才能とでも言うべきものを備えているという事である。
それを血筋程度で持てると思っている時点で、2人とも勘違いをしていると言わざるを得ない。
さいわい帝も無い物ねだりするほど子供ではなかったようで、
「そうか、いないのか・・・。それならば仕方ないな・・・。
 では代わりに陰陽師に伝わる技の1つでも見せてくれ」
と、違うものを要求してきた。
式神は無理でも、術を扱う分には問題ない。
あるとすれば、災いをなすあやかしに使う術に使う的のほうだが・・・。
そこで保利は突然イタズラっぽい笑みを晴士に浮かべると、とんでもないことを言いだした。
「かしこまりました!それではこの安倍晴士に的となっていただきますので、どうかご覧ください!」

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