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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 25


 ☆ ☆ ☆

そして、ついにその日がやって来た。
ここは宮中でも特に許しを得た者でなければ立ち入る事の出来ぬ奥の御殿…そこで晴士と保利は帝に拝謁した。
「み…みみ…帝におかれましては…ご…ごごご…御機嫌麗しく…」
束帯姿(正装)に身を包んだ晴士と保利は深々と頭(こうべ)を垂れ、お決まりの口上を述べる。
ちなみに今しゃべっているのは晴士だが…緊張のためか噛みまくっている。
保利もそんな晴士の様子にハラハラしながら彼の口上を聞いていると…。
「あぁ〜…もう良いよ。キミ噛み過ぎだしさぁ…堅苦しい挨拶は無しにしよ」
「「…!?」」
御簾(みす)の向こうから凡そこの場にはそぐわぬ呑気な声がしたのだ。
「よっと…」
晴士と保利が呆気に取られていると、帝が自ら御簾を上げて外に出て来た。
「こんにちは、ぼく帝です♪」
「「は…ははあぁーっ!!」」
床に頭を擦り付けん勢いで平伏する二人。
「えっとぉ…安倍晴士クンっていうのはどちらなのですか?」
「は…はい!自分であります!」
晴士は顔を上げた。
彼の目の前に帝がいる。
…ただ、帝と言っても二人と大して違わない年齢だ。
まだ二十にもなっていない、にこにこと柔和な笑みを浮かべた人の良さそうな青年だった。
晴士は思う。
(よ…良かったぁ…帝って聞いて緊張してたけど、何だか気さくな人だ…)
いや気さく過ぎだろ…と、もし隣の保利が聞いたらツッコんでいた所だろう。
帝は好奇心に瞳を輝かせながら、晴士にグッと顔を近付けて言った。
「あ…安倍晴士よ、朕に…朕に、そなたの式神達を見せてくれませんか?」
「…へ?し…式神…?」
「そーです!朕は、一度で良いから式神とゆうものを見てみたいのです!」
「え…えぇっとぉ…」
少年のように頬を紅潮させながら迫る帝。
晴士は戸惑いつつも尋ねる。
「い…良いのですか?ここで出しても…」
「…ならぬ!!」
その時あらぬ方向から声がした。
この場に居合わせた侍従や帝の近臣達の一人だった。
右大臣・藤原道草(ふじわらのみちくさ)…若く政治に関心の薄い帝に代わって国政の一切を取り仕切る、この国の事実上の最高権力者である。
「えぇ〜っ!?何でだよぉ?道草ぁ!朕、式神見たいんですけどぉ〜!」
「なりませぬ、主上(陛下)!式神とは、すなわち妖!危のうございまする!そうでなくとも神聖な宮中で式神などというおぞましきものを出すなど…おぉ〜!穢らわしい!穢らわしい!」
「くっ…」
その言葉に晴士はイラッと来た。
いくら右大臣とはいえ、自分の信頼する式神達を何も知らずに勝手な偏見で危険視し、あまつさえ“おぞましい”だの“けがらわしい”などと言われたのだから無理も無い。
彼は言った。
「…解りました、帝。我が式神達、ご覧に入れましょう」
「本当!?」
「…オイ貴様!!一体どういうつもりだ!?」
道草は声を荒げる。
(…おい!マズいぞ!やめろ!)
隣にいた保利が慌てて晴士の袖を引っ張るが、もう遅い。
「…コン!カイ!出て来い!」
晴士が叫ぶや否や、皆の前に二人の美しい妖が姿を現したのだった。
皆はハッと息を飲んだ。
式神達に嫌悪感を示していた道草でさえ言葉を失っている。
コンとカイの女としての美貌もさることながら、世にも珍しいその姿形に…。

コンは見た目は年の頃十五〜六。
頭の天辺(てっぺん)から狐の耳がちょこんと出ている。
同じく尻からは狐特有の豊かな毛並みの尻尾。
着物には袖(そで)が無く、かつ裾(すそ)が極端に短い、おまけに左右には切り込みが入っており、彼女の健康的で肉付きの良い二の腕や太ももが眩しい。
布面積が少ないため、彼女の凹凸はっきりとした女らしい体型が良く判る。
そして何より目が行くのは胸元の大きな膨らみ…片乳だけで人の頭ほどもある爆乳である。
腰幅が広く、尻も大きい。

カイは見た目の年齢は二十前後(もっとも精神的な年齢はずっと幼いようだが)で、背丈は晴士よりも頭一つほど大きい。
コンを上回る大きさの乳房と熟れた肉体を包むのは、胸と腰回りのみを覆う赤い色の鎧…。
さらに右腕は肩から手の先までが鎧で覆われており、その先端は巨大な蟹の鋏(はさみ)の形になっている。
この鋏こそ彼女の武器なのだ。

「コン?ご主人様、どうしたコンか?」
「はうぅっ、ご主人様ぁ・・・!」
突然の呼び出しにも当たり前のように応じてくれた式神2人。
悠然と構えているコンに対し、カイはすぐさまピッタリ晴士に密着する。
応じたまではよかったものの、見慣れない場所に怖くなったのだろう。
「ほう!ほう、ほう、ほう・・・そちたちが安倍晴士クンの式神さんか。
 いや話には聞いていたが・・・いやあ、美しいものだねえ!」
お望みのものを前に、帝は素直に感心を口にした。
それにあわてたのは右大臣の藤原道草だ。

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