PiPi's World 投稿小説

爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

の最初へ
 21
 23
の最後へ

爆乳☆陰陽伝 23

「当たり前だろ!?なんでこんな人気のないとこに保利さまが来るんだよ!?」
「怒るなよ。めぼしいところにいなかったんだから仕方ないだろ?」
「・・・ん?何か甘いにおいがしないか?」
「・・・っ!!」
取り巻きの1人が発した何気ない言葉。
しかしそれは晴士を驚かすには十分すぎた。
どくどくと激しく心臓が脈打ち、自然両手にも力が入る。
「〜〜〜っ!?〜〜〜〜〜〜っ!!」
保利も声にならない声を上げて何やら反応している。
2人は取り巻きたちに見つかってしまうのだろうか?
「甘いにおい?何だ、そりゃ?」
「いや・・・わからないけど・・・どこからか・・・」
「それってあれのことじゃないのか?」
「「え?」」
仲間の1人が指さすほうを見ると。そこには膳を運ぶ女官の姿があった。
なるほど、確かに乗せられたビンと皿に乗せられたものから牛乳特有の甘い香りが漂っている。
おそらくビンの中には酥(平安時代の濃縮乳)、皿に盛られた料理は醍醐(平安時代のチーズ)だろう。
ちなみにどちらも一般人では口にできない、高級料理である。
「ああ、あれからにおってきてたのか。うまそうだな〜」
「ま、確かに今の俺らには手の届かない料理だけどな。ここ(陰陽寮)で頑張って出世すれば必ず食えるようになるさ」
「そうそう。地道に頑張ってればチャンスはあるさ。
 ・・・まあ、ズルして俺らを出し抜こうとしているどこぞのバカには、無理な話だけどな」
その言葉に、彼らが自分のことを言っているのだと晴士は理解した。
本人がすぐそばにいるとも知らず、彼らはそのまま話を続ける。
「まったくあの落ちこぼれめ・・・。いったいどんな手を使いやがったんだ?」
「しかもあんなすごそうな式神を2匹も引き連れやがって・・・」
「だがどんな手を使ったかは知らないが、アイツももう終わりだ。
 今度保利さんと一緒に、帝に謁見するんだろ?」
「ああ。アイツはただのお話相手だと思ってるようだが・・・そうはいかねえ。
 オレたちの手で、アイツの化けの皮を剥がしてやる・・・!」
どうやらこの5人、晴士の成長を信じられないうえ、何かよからぬことをたくらんでいるらしい。
しかし国の最高権力者、帝の前でいったい何をするつもりなのか?
帝の手前、あまり過激なことはできないはずだが・・・。
「おい、そろそろ保利さんを探しに行こうぜ」
やがて彼らは話を切り上げ、その場を後にする。
残された晴士は、彼らが何をたくらんでいるのか、気になって仕方なかった。
ビクンビクンと不規則に痙攣を繰り返す保利のことに気づかないほど。
その顔は耳まで真っ赤に染まり、完全にとろけきった―――女と書いてメスと読む、そんな顔であった。

   ◇   ◇   ◇   ◇

「ふうっ・・・。ホント、まいったなぁ・・・」
その日の晩。ほっぺたにでっかい手形を付けた晴士は、数えるのもバカらしくなるほどの回数のため息をついた。
手形はもちろん、我に返った保利のものである。
いち青年男子の身体を物理的に吹っ飛ばすほどの勢いで付けられたそれは、深夜という時間帯になっても消えることはなかった。
どうやらよほど彼女を怒らせてしまったらしい。
その取り巻き5人組も何やら晴士によからぬことをたくらんでいるようだし・・・まったく、お先真っ暗とはよく言ったものである。
「ちゅ・・・ん、ご主人様、どうしたコン?気持ちよくなかったコン?」
晴士が悩んでいる中、彼の胸板に顔を寄せ、乳首をペロペロしていたコンが、不安そうに顔を上げる。
もちろん服なんぞ着ていない。互いに一糸まとわぬ生まれたままの姿である。
「ん?・・・ああ、違う違う。ちょっと考え事してただけだよ。コンもカイも両方とも気持ちいいって」
晴士は笑ってそう言うが、コンの表情は晴れない。
そしてカイのほうを振り向くと、いきなり問答無用で彼女の暴れる胸をひっぱたいた。

SNSでこの小説を紹介

時代物の他のリレー小説

こちらから小説を探す