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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 17

もっとも、そんなこと霊水晶の存在すら知らない晴士たちには知る由もない。
いいとこ『なぜ陰陽師の試験会場に女の人がいるのか?』と思うくらいである。
保利のように性別を偽っていた受験者が他にもいたのか?
・・・と、思ったものの。こんなに大柄で垂涎物の体つきをした受験生がいたら少しくらい記憶に残っていてもいいはず。
晴士は彼女は受験者ではないと判断した。
となると当然、次に挙がる疑問は彼女が何者なのかということだ。
陰陽師の試験会場にいたのだから、一般人である可能性は極めて低い。
試験官である陰陽師が連れてきた、巫女だろうか?
巫女。それは女性だけがなれる、陰陽師のサポート役のことである。
陰陽師のような戦闘能力はないが、予知や千里眼、治癒などの特殊能力を持つものが多い。
有事の際にはその身をとして荒ぶる神を鎮める生贄となることもある。
使い捨ての生贄にされるだけあって、その扱いは低いもので、どんなに頑張ってもその地位が向上することはないことを追記しておく。
「ふみ・・・。んにゅ・・・?」
「お?起きたコンか?」
女性が目を覚ました。
眠そうに眼をこすりながら、きょろきょろと周囲を見回し・・・。
晴士とコンのところで視線がピタリと止まった。
「あ・・・」
「大丈夫ですか?ここがどこで、なんで自分が気を失っていたか、覚えていますか?」
「あ・・・あ・・・あ・・・」
「・・・えーと。大丈夫、ですか?」
質問しても『あ』としか答えない女性に不安を覚えた晴士は、何とかそれだけ口にした。
顔からは血の気が引き、気のせいか身体が小刻みに震えているようにも見える。
もしかしたら化け蟹に食われたときの記憶がよみがえったのかも・・・などと考えていると。
「あ・・・あ・・・あーーーーーーッ!?」
「コンっ!?」
「あっ!?ちょ、ちょっと待って!?」
彼女はひときわ大きな声を上げてその場から逃げ出した。
晴士はとっさに彼女の手をつかむも、離せとばかりに大暴れ。
カニに食われて弱った身体で逃げられては、どんなケガをされるかわからない。
晴士は意を決して暴れる彼女を引き寄せ、抱きしめた。
「だ、大丈夫!大丈夫だからっ!?ここにはもう、あなたを食べる悪いカニなんていませんから・・・!」
「・・・・・・っ!?〜〜〜〜〜〜っ!!」
「ぶごっ!?」
しかし彼女の抵抗は治まるどころか、さらに激しくなる。
後ろから女性を押さえつけた晴士は顔面で彼女の頭突きを食らうも、何とか根性で手を離すことだけは耐えてみせる。
ここで彼女を逃がせば、いらないケガをさせてしまう可能性があるからだ。
主人を傷つけられ、激昂するコンをなだめ、手伝わせながら何とか謎の女性をおとなしくさせる。
最初は激しく抵抗していた女性であったが、多勢に無勢と気づいたのか、顔を真っ青にさせつつも何とかおとなしくなってくれた。
よし、これで彼女と会話できる・・・と一安心したその時。
晴士の背後からやわらかい何かが伸びてきて晴士を謎の女性との間に挟み込んでしまった。
腕と背中いっぱいに広がる、女性特有のやわらかな感触。
顔がにやけそうになるのをこらえつつ振り返ってみると。
そこには別人のように色っぽくなった保利が、とろけた瞳でこちらを見ていたのだった。
「ふうふう・・・あ、安倍ぇ・・・♪」
ぞくりとする声を上げて晴士に寄りかかる保利。
その声はコンで聞いた覚えがある。完全に発情した女・・・否、メスの声だ。
しかしそれ以上に気になるのは、保利の姿である。
晴士の記憶が確かなら、彼女の肌はこんな殻をむいたゆで卵のようにつるつるしていたか?
彼女の髪はあんなに長かったか?艶やかな黒だったか?
今背中に押し付けられている胸は、こんなにも存在感を感じられるほど大きかったか?
違う。そんなはずはない。晴士の記憶は断言する。
自分の知っている保利は、こんなすさまじい色香を放つような女ではなかったと。
「あ、安倍ぇ・・・♪たす、たすけ・・・てぇ♪身体・・・カラダが、すっごくあついのぉ♪
 カラダがあつくてぇ・・・どうにかなっちゃいそうなのぉっ♪」
吐き出す息と全身から甘いニオイをさせながら、保利は叫ぶ。
だが晴士に自身の推測が当たっていたと喜んでいる余裕はなかった。

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