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爆乳☆陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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爆乳☆陰陽伝 15

バリンと音を立て、殻が砕け散った。
中からは全裸の男達がこぼれ出てくる。よくもまあ、これだけ詰め込めたものだ。
ねっとりとした液にまみれているがどういうわけか死人どころか怪我人すら居なかった。
飲まれた者が死なないように人為的に作られた怪物だったのだろう。
試されたようで不快だったが、それよりも…折り重なっている男達がその。
まるで男同士でいたしているような・・・。
しかもみな泡のせいで恍惚の表情を浮かべているものだから、すごく気持ち悪い。
コンも同意見のようで、
「・・・なんか、気持ち悪いコン〜」
と眉をひそめてあからさまに嫌悪をあらわにしていた。
とは言え、彼らは被害者。決して衆道(ホモ)の集団ではない。
早く助けなければ・・・と思いつつも先立つ嫌悪感のせいで手をこまねいていると。
「何をボヤボヤしているっ!?さっさと助けんかっ!」
と背後から保利が現れ、片っ端から被害者の男たちを救助し始めた。
連中は自身の出した精液やら泡やらでベトベトだと言うのに。
「え?あの・・・気持ち悪くない、の?」
「気持ち悪い?何がだ?全身にネバネバする液体がついているだけだろう?
 そんなことくらいでおまえは助けるのをためらうのか?
 はっ!これだから名ばかりの落ちこぼれというヤツは・・・!
 仮にも陰陽師とあろうものが、その程度のことで引いてどうする!?
 いいからさっさと貴様らも手伝わんかっ!」
「・・・っ!あ、はいっ!」
保利の言葉に、晴士は目から鱗が落ちる思いだった。
彼女の言うとおり、陰陽師とは各地で災いをもたらしている魑魅魍魎を駆逐することにある。
その中にはきれいごとでは済まない、厳しい仕事もあるだろう。
それに比べたら、この惨状が何だと言うのか。
食われた人間はみな五体満足で生きている。これ以上喜ばしいことが他にあるか。
保利の言葉に心打たれた晴士は、すぐさまコンとともに救助を始める。
だが保利と同性のコンはこう思った。
(・・・あの女があれ見て平気なのは、あいつが男を知らない、処女だからじゃないコンか・・・?)
その予想が当たっていたことなどだれも知らない。
結果よければすべてよし、であった。
だがあの葛葉がただ化け蟹を倒して終わり、だなんてことにするだろうか?
実はこの騒ぎにはもう少しだけ続きがある。
葛葉は見事カニを倒した晴士へ、いくつかのご褒美を用意していたのだ。
そのご褒美を最初に見つけたのは、葛葉と何の関係もない保利だった。
「・・・ん?何だこれ?」
彼女は服を溶かされないよう気を付けながら、被害者たちを運んでいたのだが。
その被害者の下から半透明の白い結晶のようなものを見つけたのだ。
最初は破壊しそこなった泡か卵かと思った。しかし・・・。
「〜〜〜っ!?こ、これっ・・・まさ、かっ!?」
それが何なのかを理解した瞬間、彼女は危うく悲鳴をあげそうになった。
葛葉が用意したご褒美。それは霊水晶と呼ばれる霊力を凝縮したエネルギー物質だった。
本来消滅するはずの霊力や魔力、妖力などの霊的エネルギーが物質化したもの。
その用途は幅広く、陰陽師の成長を促したり本来使えない強力な術の使用を可能にしたり、強力な道具を作ったりすることもできる。

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