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暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

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暴れん棒将軍 8

(遅せえな・・・ビビりやがったか?)
全ての準備を終えた家竜は、くノ一の楓と彼女が連れて来るハズの一人の男を待っていた。
(フン!!しょせん腰抜け男だったかな・・・もし妻の窮地に助けに来ないなら俺の臣下としても、妹婿としても使えない・・・とっとと秋吉田藩を取り潰して、紫月と離婚させよう)
人買い共の巣くっている大名屋敷が、隅田川向嶋に在り、そのスグ近くに妹の嫁ぎ先である秋吉田藩邸が在る事に気が付いた家竜は、妹婿のテストも兼ねて、秋吉田藩主を助っ人に呼ぶ事にしたのだ。
(たしか和馬っていう名だったな・・・それなりに鍛えている様だし、来れば囮位には成るんだが・・・もし、来ない時は、俺と楓で何とか忠成が、手勢を率いて救援に来るまでの時間を稼ぐしか無いか・・・)
家竜は二人を待つ時間を使って、人買い共を壊滅させ、女たちを救出する為の策を考え続ける。
そうやって家竜が時間を潰していると、遠くからくノ一の楓と二人の男がやって来た。
(一人は男装の女ですが、暗いので家竜は、服装から男と判断しました。詳細は官能リレー・時代物の完結作品『今日からお殿様!?』をご覧に成って下さい)
「・・・ようやく来たか・・・成程・・・少なくとも腰抜けじゃあ無いようだな・・・」
これで女たちを救出する確率が高まったが、妹の兄としては、嬉しいような悲しいような複雑な気分だった。
「彼女を使って僕を呼び出したのは、お前か?・・・紫月は何所に居る?お前は一体何者なんだ?」
妹の夫である和馬は、家竜の姿を見つけると、必死な表情で彼を睨みつける。
「ククク・・・俺か?俺の事はそう・・・『遊び人の竜』とでも呼んでくれ・・・あんたの嫁さんは、ある屋敷に監禁されている。俺が今から助けに行くんだが、何なら連れて行ってやろうと思ってな・・・まあ怖いんなら別にとっとと尻尾を巻いて帰っても良いがね・・・どうするよ坊や?」
(さてこの男は何と答えるかな?)
「もちろん行くさ!!紫月姫は僕の妻だぞ!!彼女を救い出すのに僕が行かないでどうする!!」
和馬は家竜の問いに当然のようにそう答える。その答えは家竜の望んだ通りの物だった。
「・・・フン!!・・・まあいい・・・認めてやるよ・・・来な!!コッチだ!!」
家竜は少しだけ嬉しそうな笑みを浮かべると、夜の道を歩き始める。
(まあ・・・良かったじゃねえか・・・少なくともこの男は、紫月を大切に思ってくれてるようだ・・・)
そう思う家竜だったが、心の何処かで、それを寂しく思う自分が居る事も、同時に自覚した。
(やれやれ・・・俺って意外とシスコンだったんだな・・・)
和馬は家竜の後ろを歩きながら、その背中を監視するように睨み付けている。
「安心しろよ・・・俺の手下に俺たちが屋敷に踏み込んで、ある程度時間が経っても帰って来なかった時は、奉行所に通報しろと連絡してあるからよ・・・」
「?・・・何故初めから通報しないんだ?」
「まあ色々有ってな・・・それに紫月姫を浚った奴らは、かなり厄介な奴等のようだからな・・・下手に人数を動かすと、人質を殺してサッサと逃げかねん・・・出来れば囚われてる奴らを解放するまでは、静かに動きたいのさ・・・」
如何にも取って付けたような家竜の説明に、和馬は不安と不信を隠せなかった。
(まあ突然呼び出しくらって、自己紹介も無しじゃ当たり前かな?)
もっとも、それを分かっていても、それを和馬に説明してやる心算は、家竜には無かった。もちろん、自分の正体が和馬にバレルとマズイと言う理由も有るが、家竜自身気が付いていない本音は、妹を奪って良く男へのささやかな嫌がらせだった。
しばらく歩いて行くと、目的の屋敷に辿り着いた。
「ここは…?」
「元は大名家の奥屋敷。今は廻船問屋、船越屋の寮さ。金にあかせて買い取ったらしい」
 和馬の問いに家竜が答えた。
「あたい…様子見てきます」
 楓がひらりと身をひるがえすと、塀の上に飛び乗った。短い着物の裾から浅黒い肌のたくましい太ももと、むっちりとしたお尻が丸見えになる。尻の割れ目の奥にはしっかりとふんどしが巻きつけられ、食い込んでいるのがわかる。 上を見上げた和馬は思わずドギマギして目を逸らしていた。
(フン!!どうやら余り女の経験は無いみたいだな・・・)

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