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暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

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暴れん棒将軍 1

第一章 誘拐された珊瑚

「あんっ、あうううん!!た・・・竜さん!!竜さん!!イイ!!気持ちイイ!!です!!ああああん!!」
「ククク・・・おまえ、ますますスケベな体になってるな〜」
「あぁぁぁん!!それは竜さんのせいじゃないですか〜・・・あぁぁ、乳首気持ちイイですぅ〜」
日本の最高権力者、征夷大将軍が住む江戸城の城下・・・その下町の一角に在る建物の一室で、今一組の男女が人間にとって最も原始的な喜びに耽っていた。
「ククク・・・さあ珊瑚(サンゴ)ちゃん!!逝くぜ!!」
「あああ!!イイ!!竜さんの肉棒がアタイの子宮をゴリゴリしてる〜あああああああ!!!!!」
日に焼けて健康的な肌の色をした、気の強そうな女性が、今まさに男に抱かれながら絶頂を迎えた。




男の名は通称『遊び人の竜』江戸では名の知れた名物男で、今彼に抱かれている魚屋の娘の父親が副業で経営している、竜宮長屋に居を構えている。
もっとも、彼は大抵の時間を、江戸の町中を遊び歩いている事と、もう一つのある理由から滅多に部屋に居る事は無い。
そして彼が部屋に居る時は、大抵の場合このように、女を連れ込んでいる時なのだ。
まるで芝居俳優のように整った顔立ちと、如何にも江戸っ子といった性格の彼は、多くの女性を虜にしており、彼女もまたその一人だった。
「はあ〜竜さん・・・随分久しぶりだったわね・・・一体今度は何所遊び歩いてたの?」
「フ・・・いや・・・今回はそんなんじゃねえよ・・・実は俺の末の妹が、嫁入りしてよ・・・それでしばらくの間実家で真面目な兄のフリをしてたのさ!!」
竜のその言葉に珊瑚は悪戯っぽく微笑む。
「フフフ・・・じゃあお兄さんとしては寂しいわね・・・」
「ハハハ・・・そんなんじゃね〜って!!・・・まあアイツは、一見気が強いが、本当は寂しがり屋で、甘えん坊だったからな・・・旦那と仲良くやってくれると良いんだが・・・」
そう言う彼の表情は、珊瑚が今まで見た事が無い複雑で・・・そして少しだけ寂しそうな表情だった。
「フフフ・・・じゃあアタイが妹さんの代りに竜さんを慰めてあげるよ!!」
そう言うと珊瑚は竜の唇を奪い、それを合図に二人は二戦目に突入するのだった。


『遊び人の竜』・・・実はこの名前は、男にとって偽りの仮面でしか無かった。
彼の本当の名は、徳川家竜(トクガワ イエタツ)
京都の帝より、征夷大将軍の地位と、この日本の統治権を委託された、この国の最高権力者である。
では何故その彼が江戸の下町で『遊び人の竜』と呼ばれ遊び歩いているのかと言うと、何の事は無い。
退屈なお城の生活に嫌気が差した彼は、江戸城を抜け出し、大体週替わりで征夷大将軍と遊び人の二重生活を楽しんでいるのだ。
この事を知っているのは、僅かな数の彼の側近たちと、江戸北町奉行である大岡越前の守忠成(オオオカ エチゼンノカミ タダナリ)などの数人しかいない。
そして今日もまた家竜は・・・いや『遊び人の竜』は、新たな楽しみと美女を探して、江戸の町を練り歩くのだった。

普通なら大問題になるが家竜が絡む女性は何故か大名や豪商の陰謀が露見するきっかけになる事が多く、彼自身の手で“成敗”する事も度々である。
(外見や日頃の行いからは、想像出来ないが、本来の彼は、正義感の塊と言って良い人物なのだ。その為部下の忠成が踏み込んだ時には、悪党が全員刀で叩かれて、地面に倒れている事も少なくは無い)

もともと徳川御三家の一つ紀州藩の四男という。
ある意味気楽な境遇に生まれ育った家竜にとって、将軍という地位は、余りにも窮屈で、耐えがたい物だった。
(江戸時代の武士は、家を継げるのは長男のみで、弟は他家に養子にでも行かない限り生涯部屋住み)

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