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暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

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暴れん棒将軍 55

 そして半刻ほど後。
「さぁて、旨い酒は飲んだし、ひとっ風呂浴びるか!」
 すっかり上機嫌となった家竜を先頭に、三人は露天風呂へと向かった。
「父上、先程からお顔の色が優れませぬな。一体どうされたのです?」
「ちょいとばかり飲みすぎて気分が悪くなっただけだろ? さすがのお師匠も寄る年波には勝てねぇってことさ」
 大二郎が心配げに聞くと、脇から家竜がチャチャを入れる。
「うるさい! ワシにはお前らにわからぬ悩みがあるんじゃ…」
 藤兵衛は二人の弟子をじろりと睨むとため息をついた。

「お前たち、ちょっと待て!」
「お師匠、どうしましたか?」
 家竜と大二郎が岩風呂に入ろうとすると、急に待ったがかかった。
 藤兵衛はいきなりお猪口を取り出して温泉の湯をすくった。
「まさか…。何か毒でも?」
 大二郎が目を剥いた。家竜も思わず緊張した面持ちで見つめる。
 沈黙の中、藤兵衛はお猪口の湯をぐいっと飲み干した。
「ぷは〜っ! おきぬちゃんと雅が浸かった湯の味は格別よ。若返りの妙薬じゃ! お前らの汚い垢が浮く前に一度味見しておきたかった。どれ、もう一杯」
 ご満悦の藤兵衛を見て二人はずっこけた。
「くぉの色ボケ爺ぃ!! 何かと思えばそんなことか!」
「何? それが師匠に向かって言う言葉か!!」
「上様も父上も大概になさいませ! どれ私にも一杯…」
「お前ら、飲むんじゃねぇ! 雅は俺の女だっ!!」

 どつき漫才のような小競り合いが続き、三人はようやく湯に入る。
 ゆったりとお湯に浸かりながら藤兵衛がつぶやいた。
「う〜む。いい湯じゃ…。ここらでワシが一曲、渋い喉でも聴かせてやろうかの」
「ち、父上っ! それだけはご勘弁を!!」
 大二郎が蒼白となり、思わず湯船から立ち上がった。
「失礼いたします」
 ふと見れば、三人の若い娘が岩風呂の前にかしずいていた。
 まとっているのは薄い絹の着物であり、肌の色が透けていた。胸元からは乳首の桜色が、下腹部には若草の陰りががうっすらと見える。
 その薄衣の裾をたくし上げ、たすきを掛けた様子は天女さながらであった。
 三人の美しさに家竜らは思わず、はっ…と息を飲んだ。
 大二郎は鼻血が出そうになったのか、赤面して鼻を抑えている。

「菖蒲(あやめ)と申します」
「椿と申します」
「桔梗と申します。主人から皆様のお背中をお流ししろ、と申しつかりました」
「…ウホッ! で、ではお願いしようか!」
「待ちなさい! こういう時は順番に、まず師匠が先じゃろ?」
 湯から上がろうとした家竜を藤兵衛が制止した。
 藤兵衛が意味ありげにちらりと目配せするのを見て、家竜も黙って頷いた。

 藤兵衛はにこにこしながら風呂椅子に腰かける。
「ではお流しいたしますね…」
 それぞれ糠袋を手に持った三人の娘は、藤兵衛の身体をこすり始めた。
 しゅっ。しゅっ。
 菖蒲が背中を、椿が右半身を、桔梗が左半身を擦り上げてゆく。
「…秋山様はお年はお幾つですの?」
「来年、還暦じゃ」
「まぁ! とてもそうは見えませぬ」
「肩や胸の肉がこんなに盛り上がって…なんと逞しいお身体…」
 娘たちは耳元に熱い吐息を吹きかけてくる。
「この逞しい腕を見ていましたら、私…たまらなくなってまいりましたわ…」
 椿はそう言うと立ち上がり、藤兵衛の腕を掴んで股間に挟み込んだ。そのまま密着した股間を押しつけて腰を前後に動かし始めた。
 現代のソープランドで言うところの『たわし洗い』プレイである。
「はぁん…。私もぉ…」
 桔梗も同様にして股間を擦りつける。
 ぬるん…ぬるんっ。
 二人の女陰はすっかり濡れそぼっており、ねちゃねちゃと絡みつく花びらが両腕にナメクジのように粘液の跡をつけてゆく。
「ほほぉ…これは何とも粋な洗い方じゃな! 女人の持つ観音様で清められたら、たちまち極楽に行ってしまいそうじゃわい」
 藤兵衛はすっかり上機嫌でやに下がっている。
「では私も…」
 菖蒲は胸元を開いて乳房を取り出すと、背中に押しつけながら身体を上下させた。
「うひょ! これはたまらぬ…!」
 藤兵衛の緩んだ口元から思わず言葉が漏れた。下半身を見れば、下帯の中から充血した逸物が隆々と盛り上がっているのがわかる。こちらも年に似合わぬ元気ぶりである。

「ところで、菖蒲さんや…。その懐に飲んでいる物騒なものはしまってくれんかの?」
 そう言って不意に藤兵衛が振り向いた。
 次の瞬間、椿と桔梗が藤兵衛の両腕を押さえつけ、後ろでは菖蒲が指の間に剃刀の刃を挟んで首筋に当てようとしたが…しかし。
「ふんっ!!!」
 鋭い気合と共に藤兵衛の両腕が大きく回転し、三人を跳ね飛ばした!
「ああっ!!」
 藤兵衛に投げられて高く宙に舞った三人は空中でくるりと身を翻してふわり…と降り立った。

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