PiPi's World 投稿小説

暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

の最初へ
 33
 35
の最後へ

暴れん棒将軍 35

「何だとっ?! 私はまだ負けていないっ!! もう一度戦えば必ず勝つ!!」
「負け惜しみ言うんじゃねぇ! 最初っからお前は始末される予定だったのさ! 裏柳生全部を敵に回して勝てると思ってるのか?」
「嘘だっ! 父上がそんなことを…命じるはずがないっ」
 雅の身体の震えは一段と激しくなった。
「もう諦めな! お前は生きていちゃならなぇ人間なんだよ!」
 糞虫はいつでも投げ縄を出せるように懐手をしながら言った。
「だがお前の考え次第では見逃してやってもいいんだぜ? さんざんぶち込まれた後なら、何をすりゃいいかわかるだろ?! ほれっ!」
 雅は押し黙ると、刀を置いて着物をはらりと脱ぎ捨てた。
 下帯は家竜に切り落とされてしまっているので、たちまち素っ裸となる。
 つんと上を向いた胸乳。若草の陰りの下からうすらとのぞく割れ目。色香が匂い立つようだ。
 家竜にたっぷりと精を注ぎ込まれて、雅の肢体は一夜にして艶っぽさを増した。
「うへっ、スケベな身体してやがるな! そのいやらしい御満子を自分で広げて見せろ!」
 雅は黙って自らを押し広げた。さらけ出された淫裂の中身がとろとろと濡れ光っている。
「悪いがその女は、もう売却済みだよ」
「へ?」
背後からそう声が聞こえたと思うと、次の瞬間糞虫の胴体と首は、綺麗に二つに別れていた。

ゴトン!

糞虫の首が床に転がり、その背後から一人の男が現れる。
「よおっ雅!色っぽい恰好だな!!そんなに抱いて欲しいなら、後で楓と一緒に可愛がってやるよ」
「いっ家竜!貴様!いったい何故ココにいる!!」
そう突如として現れたのは、雅たちのターゲットである。将軍徳川家竜だった。
「ああもちろんお前さんを影から付けていたのさ・・・お前を逃がせば、たぶん楓の所まで連れて行ってくれるか、最悪何か手がかり位掴めるだろうと思ってな」
家竜の言葉に雅は怒りと情けなさで、顔を真っ赤にする。
「そうか・・・ハハハ成程私はまんまと貴様の掌の上で踊らされたという訳だ・・・」
(フフフ・・・これでは父上に無能と切り捨てられるのも当然だな・・・)
雅は何だか泣きたくなってきた。
「話は後ろで大体聞かせてもらった・・・行く所が無いって言うなら、お前も俺の所にきな!俺は美人には寛大だからな!俺の側室に加えてやるよ!」
「ふ!ふざける・・ハ!」
雅は家竜の言葉に激昂する寸前。周囲を殺気が取り囲んでいるのに気が付いた。
「上様・・・どうやらお客様の様です・・・」
家竜に縄を切って貰い、自由を取り戻した楓は、糞虫の死体から、刀と忍具を奪い武装する。
「ああ・・・ヤレヤレとっとと移動するべきだったな・・・イヤ、どちらにせよ無駄か・・・どうやらまんまと罠に掛ったらしい」
家竜の言う通り、殺気の数は四十を越えている。これだけの数を短時間で揃えるのは不可能だ。
恐らく既に集結を終えていた裏柳生の刺客たちを、屋敷の各所に気配を消して潜ませていたのだろう。
どうやら厳徹は初めから此処で決着を付ける心算だったらしい。

「四十人前後か・・・数はこの間の誘拐犯たちと同じ位だが、気配を消せるという事は、それなりの手練れを揃えているって訳だ・・・さすがに絶対絶命かもな・・・」
絶望的な状況にも関わらず、家竜は何故か楽しそうだ。
「上様・・・念の為に聞いておきますが、援軍の予定は?」
「無い!何せ急だったんでな・・・せめて大二郎位連れて来るべきだった・・・ええい!何であの剣術バカは、肝心な時に怪我で動けないんだ!!」
「上様を守って名誉の負傷を負ったからですよ・・・流石にその言い方は、恩知らずだと思いますが・・・」
楓は主君の勝手な言い草に、的確な突っ込みを入れると、最悪命に代えても家竜を無事に逃がす覚悟を決める。

SNSでこの小説を紹介

時代物の他のリレー小説

こちらから小説を探す