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暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

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暴れん棒将軍 18

と、同時に。母屋の向こうから怒声が上がった。
「御用だ! 御用だっ!!」
「てめえら神妙にしろいっ!!」
 屋敷になだれ込んだ捕り方が、口々に叫んでいるのだった。
 家竜の命令で北町奉行の忠成が動かした奉行所の同心が次々に人買いをお縄にしているようだ。
「…と、まぁ、そういうわけなんでな。親玉の船越屋善衛門がお縄になるのも時間の問題だ。お前もおとなしくしといた方がいいぜ?」
 家竜は 陣兵衛を説得する。もっとも、 陣兵衛はバカにされたと思った様だが。
「だが、まだこの女は俺の手の中だぞ? 女の命が惜しかったら道を開けろ!!」
 陣兵衛は抱き起した紫月の首筋に腕を巻きつけながら、ふくよかな乳房にぴたぴたと匕首を当てて見せた。

「なんだったら、この女の割れ目を縦に切り裂いて大きくしてやってもいいんだぜ! あん?」
(!この下種野郎が!!もう許さねえぞ!!)
「楓・・・」
家竜は相手に悟られない様に小声で、楓に合図を送る。その合図に楓は小さく肯くと、素早く懐から手裏剣を取り出す。
 シュトトトトンッ!
 楓の投げた手裏剣が二、三枚立て続けに陣兵衛の肩に突き刺さった!
「ぐ…おおおおっ!!」
 肩を刺された陣兵衛は、思わず叫び声を上げて悶える。
それを好機と見た和馬は、すかさず駆け寄って陣兵衛から紫月を奪い取ろうとする。

ドカッ!!
「おごおおおっ!!!」
 だが和馬よりも早く、陣兵衛の顔面に誰かの足がめり込んでいた。
 それはなんと、紫月の足だった。
 意識を取り戻していた紫月は気を失ったふりをして必死に反撃の機会を狙っていたのだった。
 180度以上の開脚で、自分の背面にある陣兵衛の顔面につま先を蹴り入れたのだ。
「あ・・・あのお転婆娘・・・あれ程旦那の前では、猫を被っとけって言っておいたのに・・・」
だが、同時にその限界まで開き切った両脚の間にある御満子もまたぽっかりと口を開け、ぱくぱくと処女穴を見事にさらしていた。
「……………」
 ぶしゅううううううっ!!!
 自分の眼前で満開に花開いた鮮やかな処女花を見つめて、和馬は大量の鼻血を吹き出してばったりと倒れた。
「和馬様! しっかりして下さい!!」
和馬の側に控えていた若武者が駆け寄って介抱し始める。

(やれやれ・・・こりゃ間違い無く紫月の尻に敷かれるな・・・)
和馬のその初心な様子に家竜は苦笑する。
「まったくだらしのねぇ男だな、お前は! ははははっ…。おい、紫月、これでも羽織れ」
 家竜はそこらに転がっている男から半纏を奪い取ると、妹に投げてよこす。
 紫月の後ろでは、楓が手早く猿ぐつわと縛めを解いている。
「じゃあ、そろそろ俺達もそこの猪牙船で脱出するぞ!」
「え…? これでもう事件は解決だろう?」
 若武者に介抱されてようやく落ち着きを取り戻した和馬が聞き返すと、家竜はがっかりしたように言った。
(フン!・・・悪い男じゃ無い様だが、まだまだ鍛えないとな・・・)
「とことん勘の悪い野郎だな…。俺達が奉行所で取り調べを受けたら色々とまずいことがあんだろ! とっとと行くぞ!!」
 こうして五人は大捕物の喧騒を尻目に、人買い共から分捕った船に乗って、夜の川へと逃れて行った…。
家竜自身が船頭となって、竹竿を操りながら、五人を乗せた船は進んでいく。
半纏一枚を羽織っただけの紫月は、和馬にぴったりと寄り添っている。
(やれやれ折角助けに来てやったのに。お兄ちゃんには礼も無しか・・・まあ妹何て嫁いじまえば、こんなもんなのかも知れねえな・・・)
家竜は少し前まで自分の後ろをくっ付いて来た妹が、自分よりも夫を優先して居るのを見て、兄としての悲哀を感じていた。
家竜は適当な川岸に船をつけると、和馬と紫月と和馬の側近である秋吉田の若侍船から下した。
「この辺りなら、秋吉田藩の江戸屋敷も近いだろう。此処からは歩いて帰んな」
「お…お前は一体…何者なんだ?! 何故そこまで知っている?」
(やれやれトコトン勘の鈍い奴だ・・・)
 和馬が問い詰めると、家竜はそっぱを向いて首をかしげた。
「俺は、ただの遊び人さ。ただし、そこの紫月の兄貴だがな」

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