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暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

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暴れん棒将軍 14

 ドカッ!!
 珊瑚は壺振り師を前方に突き飛ばして身構えるヤクザ連中にぶつけると、その隙を突いて亀右衛門のいる帳場まで猿のように飛び越した!
 素早く亀右衛門の後ろに回り込んで首に巻きつくと、懐に飲んでいた匕首を突きつける。念のため、竜の居間からこっそり持ち出してきたのが役に立った。
「やいやいやい! 手前らの親分の命がどうなってもいいのか! 早くお光ちゃんの親父の証文を持ってこい!!」
 亀右衛門を脅したてて、部屋から出口までじりじりと下がりながら珊瑚は叫んだ。
「は…早く証文を出してやれっ!」
「へいっ」
 親分の命令を受け、三下が奥の間にある手文庫を取りに走る。
「いいから早くよこせっ!」
 珊瑚は三下から証文をひったくると、口にくわえたままびりびりと引きちぎった。
「これでいい。ちょいと予定は狂ったが、後はずらかるだけだ」
「おっと、そうはいかねぇぞ」
 珊瑚が廊下に逃れようとすると、後ろから声が響いた。振り向いてちらりと覗くと、そこに立っていたのはあの丹治と痩身の浪人、そしてお光ではないか!
 お光は口に猿ぐつわを嵌められ、後ろ手に縛り上げられた姿だ。その胸元には丹治の匕首が光っている。
「へっへっへ…。これで形勢は逆転だな?! あの娘の命が惜しかったら、とっととワシを離すんだな」
 亀右衛門が勝ち誇ったように言い放った。
「ちきしょう…っ!」
 珊瑚は歯ぎしりするが、どうしようもない。
「ほらよっ!」
 珊瑚は亀右衛門を廊下に面した庭に突き飛ばすと、その場にどっかと座り込んだ。
「悔しいがあたしの負けだっ! 煮るなり焼くなり好きにしろっ!」
「ふっふっふっ…。言われるまでもなくそうしてやるさ…」
 浪人が近づいてきて珊瑚の胸倉をつかみ上げると、どかっ!と当身をくらわす。そのまま珊瑚は力なく崩れ落ちた。


「う…。う――ん…っ」
 次に珊瑚が意識を取り戻した時は、薄暗い座敷牢の中だった。隣りの牢からはお光が自分を呼ぶ声がする。
 身体を動かそうとしたが、まったく身動きがとれない。口には猿ぐつわ、両手両足を縛られている。縛り方も念の入ったもので、右ひじと右ひざ、左ひじと左ひざがそれぞれ一まとめに縛られているのがわかった。
 これでは常に開脚していなければならず、股間が丸出しになってしまう。なんとも屈辱的な姿勢だ。
 着物は全部脱がされてしまっているが、ふんどしだけは外されていないのが救いだった。
「ううううう……!!」
 必死にもがいていると、ぞろぞろと男達がやってきた。
 丹治を先頭に、さっき腕をねじり上げられた壺振り師と数人のヤクザ者だ。がちゃりと牢屋の鍵を開けると、中に入ってくる。
「よう姉ちゃん! なんともいい格好だな! 悔しいだろうが、あれだけお前の度胸と腕っぷしの強さを見せつけられると、こっちも用心したくなるってもんだぜ」
「むごごご…っ!(手前ら、離しやがれ!)」
「あん? 何言ってるんだ? それよりさっきのお礼詣りに来てやったぜ。なぁに、心配するな。女は女らしく扱ってやるのよ」
 男達のいやらしい手が、珊瑚の身体を荒々しく撫で回した。
「う"――っ! う"――っ!(やめろっ、やめねえか!)」
 珊瑚は必死に暴れるが、身体をよじらせながら足をばたばたさせる程度しかできない。
「どうして素っ裸にしなかったかわかるか? お前が目を覚ましてから、大事な観音様をじっくり拝ませてもらおうと思ってな…!!」
「う"む"――――っ!!(嫌あああああっ!!)」
 丹治の匕首が、珊瑚の腰に当たった。ひやりとした感触に思わずびくっとする。そのままふんどしの横褌の間に差し込まれる。
「ほら、動くんじゃねえぞ! ケツに刺さっちまうからな」
 ぶつっ!!
 横褌が遂に切り落とされた。
「そうら…。男勝りの男装娘の御満子はどんなかな?」
 ふんどしの前袋に丹治の手がかかった。ずるずると引き下されてゆくにつれ、惚れた男にしか見せたことのない、秘められた女の命が露わになっていく。
「むぐうううううっ!!(やめろおぉぉっ!!)」
 必死にかぶりを振っていやいやをする珊瑚。その眼には、大粒の涙が光っている。
 ヤクザどものぬめるような好色な視線を一身に浴びて、珊瑚は自分の御満子がすっかり濡れそぼっているのを感じていた。
「やめてぇっ! 珊瑚姉さんを苛めないでっ!!」
 隣りの牢から、お光の泣き叫ぶ声が聞こえていた。

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