暴れん棒将軍 12
「あん…! あんっ!」
珊瑚はぐりぐりと硬い枕に押しつける。激しくぶつける度に勃起したおさねがぎゅっと押しつぶされ、思わずせつない喘ぎ声を上げてしまう。腰をぐねぐねと回しながら、一番気持ちいい場所を探し続けている。
ふんどしの中はすっかりぐしょぐしょだ。普段からきつく締め上げているので、激しく動くほど食い込んでいく。前袋で御満子全体がぐっと締めつけられる圧迫感。ねじられた縦褌で肛門を擦り上げられる感覚がたまらない。
「ああんっ…。御満子とお尻の穴…気持ちいいよぉ…」
すっかり気分を出した珊瑚は、ふんどしをずらして御満子を直接いじり始めた。右手の指をぺろぺろと舐めてから、いきなり二本まとめて穴にねじり込む。
ちゅくっ! ちゅくちゅくっ!!
「くふうううううんっ!!」
くちくちと湿った音を立てて、珊瑚の分身は美味しそうに指を飲み込んでいる。残った左手の指は莢の中から肉芽を剥き出してねちねちといたぶってしまう。禁欲生活の反動が出てしまい、もう止めることが出来ないようだ。
「竜さん…竜さんっ…もっと、もっと苛めてぇぇぇ!! くうううっ!!!」
ぷしゃああああっ!!
感極まった珊瑚の御満子は、おしっこの穴から大量の潮を吹きだした。指の間から漏れた潮は軌道を変えられ、上方に向かって迸った。
ぷしゃっ! ぷしゃあっ!!
断続的に二回、三回と潮を噴き上げながら、珊瑚はびくびくと身体を痙攣させる。
「ああん、止まらないよう…。いっぱい出ちゃうよぅ!!」
珊瑚が噴き出した淫汁は、全部、竜の寝ている布団に染み込んでしまった。
快感の余韻に打ち震えてしばし放心状態で倒れ込んでいた珊瑚は、突然がばっと飛び起きた。
「ああああっ! しまった! これ、竜さんの布団じゃない!」
今さら気づいても時既に遅く、布団は一面びしょ濡れ。
結局、その日の午後は濡れた布団を干したりするはめになった。
そして夕暮れ時。
薄暗くなった町には蝙蝠がひらひらと飛んでいる。家路を急ぐ者、風呂屋帰りの親子連れ、店じまいに忙しい奉公人、皆忙しそうだ。そんな中、腕を組んで悠然と歩く珊瑚は、いっぱしの渡世人気取りだ。
あれからどぶ板長屋のチンピラ連中に聞き込みして丹治がよく顔を出す賭場を調べ、珊瑚は竜の部屋で少し眠ると再び町に繰り出したのだ。
ちなみに、今締めているのは竜のふんどしだ。自分が汚したふんどしは恥ずかしいので押入れの隅に突っ込んである。着物ばかりでなくふんどしも借りているので、全身を竜に愛撫されているような気持ちで、なんとなく嬉しい珊瑚だった。
「兄貴、ちょいとご一緒させてもらってもいいですかい?」
屋台で夜泣きそばをすすっていた源三の隣りに小柄な男が座って話しかけてきた。
「なんだ、てめぇは?」
「へい。あっしは珊瑚…じゃない、三五郎といいやして、ケチな遊び人でやんす。どぶ板長屋の長兵衛さんに聞きまして、源三さん行きつけの賭場にあっしも連れてってもらいてぇんで」
そう言って三五郎は小粒銀を取り出すと、そっと源三に握らせた。
「心がけがいいな。それによく見りゃなかなか男前だ。気に入った、連れてってやるよ」
「兄貴、そうこなくっちゃ!」
三五郎はそう言って上目使いにへらへら笑ってみせた。
この時代、賭場は非合法なもので、寺社や大名屋敷の中元部屋で開かれるものが多かった。町奉行の手が及ばないこうした場所は、しばしば犯罪の温床となっていた。
珊瑚が源三に連れて行かれたのはそんな中のひとつ、旗本・杉山家の下屋敷の一角だった。
「丁!」
「半!」
「…ぴんぞろの丁!」
ざわざわざわ…。
その部屋ではちきしょう金返せだの、これで文無しだ、等と怒声が飛び交い、男達の汗と熱気が渦巻いている。
「お兄さん、あまり見かけねぇ顔だな」
用心棒が珊瑚をじろりと睨んで言った。
「へ、ヘイ!!此方の賭場にお邪魔するのは始めてでして・・・あっし源三さんの紹介で、此方に遊びに来させてもらいやした、三五郎と申しやす!!以後お見知りおきを・・・」