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暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

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暴れん棒将軍 11

「あ・・・ありがとう珊瑚姐さん・・・」
珊瑚の手を借りて立ち上がると、お光は珊瑚にそう礼を言う。
「気にしなさんな!!お光ちゃんには何時も贔屓にして貰ってるからね!!」
珊瑚はそう言ってサバサバと笑う。
彼女は本当に自分が大した事をしたとは、思っていないのだ。
「それにしてもどうしたんだい?あんな柄の悪い奴等に目を付けられるなんて・・・もし何か困っているなら相談に乗るよ?」
珊瑚は幼い頃から世話好きの父親を見て来たせいか、人情味溢れ人の良い性格で、その為ついつい厄介毎や揉め事に首を突っ込む癖が有る。
その男気溢れた性格から父親や恋人である竜からは、冗談交じりに「お前さんは女じゃ無くて男に生まれるべきだったな!!そうすりゃ余程出世したか、悪くてもヤクザの大親分に成れただろうよ!!」と言われる程なのだ。
因みに彼女が竜と恋人に成ったのも、厄介毎に首を突っ込んだ珊瑚を、竜が助けたのが切っ掛けだった。
 珊瑚はお光を連れてあばら家に戻った。
 中からぷ〜んと酒の匂いがする。せんべい布団の上にはお光の父が酔いつぶれて転がっていた。
「実はお父っつぁん、仕事中に屋根から落ちて右腕を折っちまって…」
 お光の父は腕のいい大工だった。それがいつの間にこんなに落ちぶれてしまったのか?!
 珊瑚は驚いて言葉もなかった。
「お医者にも診せたんだけど…。指がひどく折れてしまっていて…もう上手く動かせないのよ」
「それでこんなになっちまったのか?」
「毎日お酒ばっかり飲んで…。最近はどっかの怪しい賭場に出入りして借金までこさえてきちゃって…」
 お光は着物のすそで涙を拭った。
「水臭いよ、お光っちゃん! どうしてもっと早くに相談してくれなかったの?!」
 珊瑚がお光の肩をつかんで揺さぶった。
「だって…。五十両もの借金、一体どうしろっていうの? 珊瑚姉さんには迷惑かけられないわ!」
「大丈夫、いいからあたしに任しておきなって! きっと何とかしてやるから!」
 そう言い終えるが早いか、珊瑚は一目散に駆け出していった。もちろん、行く先は竜のところだ。竜さんならきっと助けてくれるはず…!

 珊瑚は竜宮長屋にある竜の居間に飛び込んだが、中はもぬけの空だった。思わず地団太を踏んでしまう。
「竜さんの馬鹿っ! 一体どこほっつき歩いてんのよう!!」
 空っぽの部屋の中で珊瑚は叫んだ。
 それもそのはず、その頃、家竜は江戸城で政務に追われていたのだ。珊瑚の相談に乗ってやれるはずもない。
(ちきしょう! どうすればいいんだよ…)
 珊瑚は必死に考えた。
 さっきぶちのめした丹治という男、どこかで見かけた覚えがある。どこだったか…?
 そうだ! 鬼婆横丁のどぶ板長屋だ! あそこで聞けば、丹治が出入りする賭場がどこかわかるはずだ。
 お光ちゃんに目をつけたヤクザが、きっとお光ちゃんの親父をそそのかして博打で罠にはめたに違いない。
 賭場でイカサマ賭博の証拠を見つけて証文を奪い取れば、お光ちゃんは助かる!
 珊瑚は部屋の箪笥の中から竜の着物を取り出すと、着替え始めた。この部屋に年中出入りして掃除や洗濯をやっているし手慣れたものだ。
 元から男装している珊瑚である。法被を脱ぎ捨てて、胸をさらしで巻きつけ、男物の着物を羽織るだけで、あっという間に優男の遊び人風になる。
 竜の匂いが染み込んだ着物に身を包むと、愛しい男に抱かれているような気がして珊瑚はしばしうっとりとした。両腕を腰に回して、抱かれた感触を再現してみる。
 早く完成した刺青を見せてびっくりさせたくて、最近は何かと口実を作って竜との閨事を避けているのだが、本当は誰よりも御珍棒が好きな珊瑚だ。彫師の針の痛みに耐えながら、しっとりと濡らしてしまうことさえあった。
「はぁぁん…。竜さぁん…抱いとくれよぉ…」
 誰もいない部屋で、珊瑚は竜のことを想いながらそのまま一人遊びを始めてしまうのだった。
 さらしをずらしておっぱいを取り出すと、荒々しく揉みしだく。
 普段は男勝りで通る珊瑚だが、閨の中では正反対に男に思いっきり甘えて尽くしたいという思いが強い。実はちょっと乱暴に責められるのが好きだ。
 そんな秘められた思いを竜はよくわかってくれる。獣のような後ろどりで激しく突き上げながら、髪を掴んで言葉嬲りされると、珊瑚ははしたない嬌声を上げてすぐに登り詰めてしまう。両腕を帯で縛られて、軽く拘束されるのも大好きだ。身動きできない状態で両脚をがばっと押し広げられると、それだけで御満子からいやらしい汁があふれ出してしまうほど敏感な体質なのだった。
「竜さん! …竜さんっ!!」
 珊瑚は勃起した乳首をつまみ出してくりくりと刺激しながら、股間は枕に擦りつけている。

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