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暴れん棒将軍
官能リレー小説 - 時代物

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暴れん棒将軍 105

「お?何だ?何だ?何かの演出か?」
「すっこんでろボケぇ!ワシは女の悶える姿を見に来たんだぎゃ!!」
「そうだ!そうだ!!せっかく今良い所なんだぞ!!」
「男なんぞお呼びじゃねえんだぎゃ!!」
突然の乱入に欲望に目を血走らせた観客達から罵声が浴びせられる。
「オヤオヤ・・・勝手に舞台に上がられては困りますなお客様」
「フンッ、悪いがテメーらの悪趣味な見世物はココで強制終了だ」
家竜は静かな怒りを滲ませながら天草に刀を突きつける。
「フフフ・・・残念ですがそれは出来ませんな。私の筋書きではココから盛り上がる予定ですので・・・」
天草は不敵な笑みを浮かべると、傍らに控えていた女達に目で合図を送る。
「オイ、ネーちゃん。俺りゃ出来れば女は切りたくネーんだ。相手して欲しけりゃ今晩布団の中で相手してやるから舞台の袖にすっこんでな」
だが、家竜の降伏勧告にも、五人の美女たちは嘲るような笑みを浮かべるだけだった。
(ムッ!人が優しく言ってやってんのに)
女子供に対しては比較的寛大な家竜だが、生憎ここまであからさまな挑発に黙っていられるほど人は良くない。
「フンッ!女子供に剣を向けるなんざ俺様の主義に反するが、仕方ねぇ・・・ちょっくら躾けてやるぜ!!」
家竜は鞘から刀を抜くと、刃の付いていない剣の峰の部分を、先頭の二刀流の女剣士に向け刀を振り下ろす。
「なッ!?」
だが、武姫は左手に持った短い方の刀で、難なくその攻撃を受け止めた。
「フフフ・・・どうした若造?この程度か?」
峰打ちで手加減していたとはいえ、女の細腕に自分の剣が止められた事に家竜は驚きを隠せない。
「な、なるほど・・・少しはやるようだな・・・だが!今のは飽くまで小手調べよ!次は本気でいくぞ!!」
「イイからクッチャベって無いで早く来い。それとも今の時代の剣士は口喧嘩しか出来んのか?」
(このやろう!!)
武姫の挑発に家竜は次は本気で二撃目を加える。
「腕の一本は覚悟しろ小娘!!」
「フっ・・・」

キンッ!

だが、武姫は手に持った刀を巧みに操り、再びその攻撃を受け止める。
「どうした?もう終わりか?」
「舐めんな!!」
すっかり頭に血が上った家竜は、我武者羅に刀を振るい息もつかせぬ連続攻撃で武姫を攻め立てた。

キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!

「フフフ・・・元気の良い小僧だ。ホレホレもっと力を籠めんか。手打ちに成ってきておるぞ」
家竜の渾身の攻撃を、左手に持った刀だけで武姫はことごとく打ち落とす。
逆に彼女の右腕は戦いが始まってからピクリとも動いていない。
二刀流の剣士にとってそれは力を半減させているに等しい。
つまり家竜は実力の半分も出していない相手に手玉に取られているという事だった。
(クソっ!クソっ!畜生おおおおおおおっ!)
家竜は一心を集中させ、肉体の限界まで力を振り絞り、知っている限りの技巧を尽くして、剣を振るう。
だが、それらの斬撃は鉄壁とも思える武姫の短刀に全て防がれ、刃と刃が打ち合う音だけが虚しく劇場内に響く。
(ば、化け物だこの女・・・)
家竜とて一角の剣士だ。
既に相手の実力が自分には理解できない程のレベルに在ると察するしか無かった。
恐らく彼が知る中で最強の剣士である藤兵衛でさえ、この女には勝てないだろう。

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