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吉原遊郭〜胡蝶亭艶聞〜
官能リレー小説 - 時代物

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吉原遊郭〜胡蝶亭艶聞〜 6

美津はたまらない。
「ひいぃぃ〜〜〜っ!!!?だ…旦那様ぁ!!らめぇ!!しょ…しょんな女陰と乳首と同時に責められたらぁ…!あぁ!いく!また気がいく!旦那様ぁ!美津はいきますうぅ〜〜っ!!!」
「そうか…では俺も気をやるとするか…受け取れ、美津!」
「あぁ…いくぅ!!あぁ〜〜〜〜っ!!!?」
美津は達した。
「く…っ!!」
とほぼ一瞬遅れて光次郎も射精する。
男根がビクビクと脈打ち、美津の膣内は光次郎の精液によって白く染め上げられていった。
「あぁ…旦那様の子種が入って来るぅ…」
「ふぅ…良かったぞ、美津…」
「旦那様ぁ、今ので私、稚児(ややこ)を孕んだかも知れません…」
振り向きながら嬉しそうに言う美津。
当時は女性の気がいった…即ち絶頂に達した時に中出しされると受精すると信じられていた。
「フッ…馬鹿を言え」
光次郎は微笑みながら美津の膣から男根を抜き、彼女の顎を掴んで口付けした。

一方その頃、お花は先輩禿であるお染に胡蝶亭の中を案内されていた。

妓楼の構造はどこもだいたい同じで二階建てが普通。
一階は居住区…若い衆(男性従業員)達の寝泊まりする部屋、台所、風呂、便所、物置、その他…一番奥に光次郎の住居がある。
二階は遊女達の部屋と、お客をもてなすための、いわゆる“お座敷”が複数あり、人気のある遊女には専用の座敷が与えられている。

「遊女は“部屋持ち”になって初めて一人前って言われるんだよ」
「へぇ〜!」
お染の蘊蓄にお花が感心していると、昨日ご飯を食べさせてくれた紅葉という遊女が現れた。
見事に盛装して着飾っていた昨日と違い、今は身にまとっているのは下着である赤い襦袢のみ、しかも帯の締め方はだらしなく、胸元が開いていて乳が見えそうだ。
思いっきり寝起きという感じである。
紅葉はニヤニヤ笑いながらお染に言った。
「おやおやお染、さっそく新参者に先輩風吹かせてるのかい?」
「そりゃあ先輩ですから!」
胸を張るお染に紅葉は笑って言う。
「ハハハ…先輩って言ってもたったのひと月じゃないか。良く言ったもんだよ」
「も…紅葉姐さん!それ言っちゃダメ…!」
慌てるお染、だがバッチリお花に聞かれてしまった。
「そうだったの!?私てっきり一年ぐらい居るのかと思ってたのに…」
「うぅ…そうよ…」
お染はバツ悪そうにお花から目を逸らすと恨めしげに紅葉を見た。
「酷いじゃないですかぁ〜、せっかく妹分が出来たと思ってたのにぃ…」
「良いじゃないか。どうせすぐバレるんだから」
お花はお染に言う。
「ねえ、お染ちゃんって呼んで良い?友達になろうよ」
「と…友達?」
「うん!歳も近いし…ダメかな?」
「友達かぁ…まさかここに来て友達が出来るなんて思ってもいなかったけど…良いよ!友達になろう」
そして二人は手を取り合った。
見ていた紅葉はポツリとつぶやく。
「花魁になったらそんな甘い心持ちじゃあいられないと思うけどねぇ…」
「…へ?紅葉姐さん今何か言いました?」
「あぁ〜、いやいや何でもない。仲良き事は美しき哉…(ま、今ぐらいは良いだろ)」
そんな紅葉にお花は尋ねた。
「あの〜、紅葉さんは“お部屋持ち”なんですか?」
「そういう事は本人に訊くもんじゃないだろう」
「ご…ごめんなさい…!」
訊いてはいけない事だったかと焦るお花。
お染がフォローしてくれた。
「紅葉姐さんは胡蝶亭の板頭(一番人気)競ってる人だよ。当然お座敷だって持ってるに決まってるじゃないの」
「そ…そうなんだ…」
お花はホッとした。
するとすぐに次の疑問が沸いてくる。
「…で、誰と競ってるんですか?」
「深雪っていう花魁もどきさ…」
眉をしかめて吐き捨てるように言う紅葉。
そこへ、もう一人の遊女が現れた。
「あら…“もどき”だなんて随分と酷い言い草じゃないの。紅葉さん…」
紅葉も美女だが、彼女とはまた異なる魅力を持った美女だ。
紅葉が明るく快活な女性であるのに対し、こちらは清楚で落ち着いた大人の雰囲気を持った女性である。
「あなたが深雪さんですか?」
お花の問いに女性は妖艶な微笑みを浮かべて答えた。
「ウフフ…そうよ。あなた、なかなか素質ありそうね…もし良かったら私の禿にしてあげましょうか?」
「え?禿ってそういう物なんですか?」
そこに紅葉が割って入って来る。
「ちょっと深雪!この子は私が目を付けてたんだよ?抜け駆けはやめてもらおうか」
「あら、ダメよぉ〜。お茶ばっかり引いてる誰かさんの禿なんかになったら可哀想じゃないのぉ…」
「な…何だってぇ!?もっぺん言ってみな!」
「何度でも言ってあげるわ。お客の選り好みが激しくてお茶ばっかり引いてるお茶引きの紅葉さん」

当時、客の指名が少ない…もしくはこの紅葉のように客の選り好みが過ぎて(花魁には気に入らない客を拒否する権利があった)とにかく暇のある遊女には石臼でお茶っ葉を引かせていた。
現代の風俗業界でも“お茶引き”という言葉が残っているが、この辺が起源だ。

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