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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話
官能リレー小説 - ショタ

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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話 6

そして集落に子供は涼真くん達3人しかいなく、学校は隣町まで行かないと無いとか。
殆どの若い夫婦は隣町とかここに残らず、ここには老人しかいないのも温泉で聞いた。
つまり、ここはバリバリの限界集落なのだ。

この狭間ノ里と言う集落は、海沿いを走る県道狭間ノ里線と狭間ノ里駅を中心に作られた集落で、やや山側にある駅から県道まで伸びたシャッター街がかつてのメインストリートだったみたい。
優子さんのカフェは県道沿いの海が見える実にいい場所で、かつてのメインストリートにも近い。

そこから見える狭間ノ浜は綺麗な砂浜で、夏には海水浴客が少なくないが、それも隣町の広いビーチのあぶれ客しかこない穴場スポット扱いのようだ。

その浜のすぐ側には狭間漁港。
言わばこの集落の収入源の殆どがこの漁港だ。
だけど漁港の規模も隣町に及ばず、漁師達は売る分は隣町の漁港で水揚げするみたいだ。
田畑もあるが、狭い集落だけに自分達で食べる分ぐらいしか無いようだ。

つまりやはり、ここはれっきとした限界集落なのだ。

そう思うと、私がこの狭間ノ里にたどり着いたのは奇跡に近いなと思った。
もしかしたら、涼真くんや玲奈ちゃんのお父さんも同じ…いや、私にそこまでのことはできるか…そんなことを考えてるうちに眠気がやってきて、意識は落ちて行った。


目が覚めた時には窓から眩しい朝日が差し込んでいた。
野鳥のさえずりも聞こえる。
ベッドの隣で寝てたはずの玲奈ちゃんはいない。早起きな子だ、えらいね。
私もすぐ起きて着替えた。

「おはようございます」
「おはよう奏さん、よく眠れました?」
「ええ」
「子供たちは学校なので、奏さんの朝ご飯はそのあとになっちゃうけど…」
「構いませんよ。私にできることないですか?」
優子さんの隣に立ち、キッチンで朝食の準備を手伝った。

2人は電車で隣町まで通うらしい。
この地区に学校が無いからなのだけど、小学校から電車通学とは大変そうに見える。
ここから駅まで5分程、そこから電車で20分、そして隣町の駅から学校までが10分。
結構な時間だ。

そんな2人の為に手際良く朝食の準備をしている優子さん。
本当に大きな2人の子供がいるとは思えないぐらい綺麗な人で、私とそこまで年齢差がある訳で無いのに大人の余裕も見える。
自分のあの親より大人に見えるぐらいだ。

「おはよう、母さん、奏さん」

そうやって食卓に来たのは涼真くんだ。
朝から爽やかでやはり天使。
顔が蕩けて崩れそうになる。

「おはよう涼真くん」

そう挨拶を返すと、涼真くんは私の顔をじっと見てくる。

「奏さんはお化粧しない方が綺麗なのに」
「大人はお化粧するのがマナーみたいなものよ」

私もガッチリフルメイクする方では無く、超高速でメイクが終わる派だ。
だが、大人やっていると流石にノーメイクで出歩くと言う事は気分的にもできない。

「あら、奏さんはお化粧してもっと綺麗になってるわよ・・・お母さんだって教えて貰いたいもの」
「ふうん・・・そんなものなんだ」

余りお化粧に興味無さそうな涼真くん。
小学生男子なんてそんなものだと思う。
でも優子さんの方は食いつきがいい。
あんまりお洒落してる感の無い人だけど、お洒落したくない訳では無さそう。
ようはそこにお金をかけられないのだろう。

何かできない方が、それに対する執着が深くなると言うか・・・
私も学生時代はお洒落すると母からいやらしいと罵られた覚えがある。
勿論お洒落させてくれる充分なお金は無かったからささやかなものだったけど、それすら罵られた。
その反動か、大学頃からバイトのお金でお洒落するのが楽しくて仕方なかった。
勿論派手なお洒落はしなかったものの、あのセクハラの件も母からすれば男を誘ういやらしい格好する私が悪い事になっている。

「そんな事でよければいつでも!」
「ふふ、女らしい話する相手が姉しかいなかったから嬉しいわ」

優子さんのお姉さん…祥子さん、いったいどんな方なのだろう。たぶん優子さんに似て綺麗な人なのだろうなと思う。神職についている人だから凛々しいイメージもある。

「奏さん、お待たせしました、どうぞ」
「ありがとうございます」
焼かれた食パンがお皿に乗って出てくる。
好きなものを、と優子さんに言われマーガリンをつけていただく。シンプルで美味しい。

「奏さん、今日はよければ一緒に隣の店のお掃除、手伝ってくれるかしら」
「もちろんです」

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