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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話
官能リレー小説 - ショタ

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全てを失ったお姉さんがショタに救われる話 4

番台のお婆さんがしみじみと言う。

「それに涼真くんはの・・・氏神さまの授かり子じゃしな・・・宜しく頼むな」

氏神さまの授かり子・・・
何だかよく分からない一言だった。

「氏神さまを信じぬ若い者はみんな街に出てしまい、この温泉街も年寄りしかおらんでの」
「えっ、ここ温泉だったんですか?」

そう言えば銭湯なのに煙突が無いと思ったらそう言う事なのか。

「そうじゃ、狭間ノ里温泉唯一の残った温泉じゃ・・・後は枯れてしまっての」

寂しそうなお婆さんの言葉。
温泉が枯れ、若者が出ていき寂れた集落になったのかもしれない。
番台の後ろ側に黄ばんだ古い周辺地図が貼ってあるが、この狭間ノ里と呼ばれる地区は三方を山に囲まれた小さな隔絶した土地のようだ。
それ故忘れられたように寂れたのかもしれない。

そんな話をしていると、涼真くん達が脱衣所で待たしていると気付き慌ててお婆さんにお礼を言って向かう。

途中で氏神さまの授かり子とは何かを聞くのを忘れていたと気付いたが、それはまた後でいいだろう。


脱衣所に入ると、そこは古き良き銭湯そのもの。
このレトロ風味で温泉だから、正しく宣伝すればここも穴場スポットになるかもしれないなとぼんやり考える。

「お姉さん、早く」

涼真くんに促されて服を脱ぐ。
涼真くんはさっさと脱いでお風呂の扉の近くで手を振っている。
横にいるのは脱いでる最中の玲奈ちゃん。
その玲奈ちゃんの視線を感じる。
主に胸にだ。

「ママより大きい・・・」
「優子さんも普通より相当大きいわよ」

実母はそこまで大きくないのに何故か大きく成長してIカップはある私の胸。
みんなは羨むが、これでいい思いをした事が無い。

思えば涼真くんの年だった頃からそうだ。
その頃には十分に発育してしまった胸を、実母は恥ずかしいと言ってブラジャーを買ってくれなかった。
そのせいか大人の男にジロジロ見られ、襲われかけた事もある。
それは未遂で助けられたけど、実母にお前が悪いってなじられた覚えがある。

私だってなりたくてなったわけではないのに、母自身の格差からか知らないが本当の娘の扱いをされていないような気がした。加えて妹は見た目も母そっくりだったから愛情が完全にそっちに行ってたのは間違いない。

どこへ行っても好奇の視線で見られ、同性からは妬まれ、学生時代もロクに友達が出来ず社会人になってもぼっち継続。そこにトドメを刺さんとばかりに起こったのがあのセクハラだった。

中学でも高校でも大学でもロクな扱いを受けず、声をかけてくるのは欲望まみれのおっさん達。
社会人になって婚約者もできて、やっとまともな扱いを受けたと思えば、配置転換後すぐに社長からセクハラ。
それに慣れていた筈の私が大人になって流せなかったのが悪いんだろうけど、一体私の人生って何だろうとか思ってしまう。

結局ここまで誰も味方はいなかった。
身内だってそうだ。
俺の仕事に関わると鬼のように怒った父。
お前は昔からいやらしい子だと罵った母。
同情するけど、あなたのせいで嫌な思いしたからいなくなって欲しいと言った妹・・・
誰も庇ってくれず鞄一つで私を追い出した。

ここに来るまで人の優しさに触れていない気がする。
優子さん達は優しいし、ここの番台のお婆さんもそうだった。
フラッと降りただけだったけど、降りて良かったと思う。

私が裸になると、隣の玲奈ちゃんは私を見たままだった。
好奇な視線じゃない、純粋な憧れの目に私の方が戸惑う。

「玲奈も・・・お姉ちゃんみたいに綺麗になれるのかなぁ・・・」

モジモジして言うのが可愛らしい。

「優子さんも凄く美人だから、玲奈ちゃんもなれるわよ」

母に似なかった私が言うのも何だが、玲奈ちゃんは優子さんみたいな素敵な女性になって欲しいと思う。

「そうなれるといいなぁ」

憧れの目で見られるのが何だがこそばゆい。
私が浴場に行こうとすると、玲奈ちゃんが手を差し出してくるので繋いで中に入った。


中もやはり、レトロな銭湯と言った感じ。
私達以外誰もいない。
湯船の向こうの壁面画は温泉に入るウサギの絵だ。

「ウサギさんがお風呂に入ってるわね」
「ここは白ウサギ伝説があるからだよ」

そう言ったのは涼真くん。
思わず見惚れるぐらい綺麗な身体。
股間のものはまだ子供らしいサイズの皮被りだし毛も生えていないが、まるで妖精のように白く輝くような肌をしていた。

「白ウサギがサメを騙して背中を歩いたら、サメにバレちゃって皮を剥がれたけど、この温泉で治ったってお話だよ」

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